ヘイ、ルーシーもうそんな時期かい?

さいとう みさき

なんの季節なんだい、ルーシー?

「グッモーニン! ルーシーどうしたんだい、そんな恰好をして?」


「ああ、ボブおはよう。もうそろそろ季節なのよ」


「季節? そりゃぁこうも陽気が良くなってくると花粉も飛んでくるよね?」


「いやいやいや、ここはジャパンじゃないんだから、花粉なんてそんなにないわよ?」


「じゃあ一体何なんだい? 君のその姿を見ていると僕には花粉対策くらいにしか見えないけど?」


「そりゃぁ、ゴーグルやマスクをしなけりゃ埃がすごいし、視界だって確保できないわよ?」


「うーん、僕にはどう言う事か全くわからないよ。ハッハァー、もしかしてテロにでも行くのかい? おっと、これは失敬。ブラックジョークだった」


「もう、ボブったら。あまりそんな事言っていると吹き飛ばされるわよ?」


「おいおい怖いな、ジョークだよ、ジョーク」


「まあいいけど、そろそろかしら?」


「ワッツ? 何がだい??」


「毎年この時期には来るのよ、あれが」


「あれって何だい? 僕もこっちに引っ越してきて半年になるけど、この時期にこの辺では何があるって言うんだい?」


「それは……」


 ぶもぉ~っ!!


「来たわ! 『全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ』よっ!!」


「ウェィ、ウェィ、ちょっと待ってくれ、なにが来たって……アウチィっ!!!!」


どっごーんっ!


「ボブっ!! 今年の『全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ』は例年以上に強力だわっ!!」


「ジーザス! なんてこったい、オーマイガっ! アウチっ! ちょ、マジいてーよっ! ぐえっ!!」


 ぶぎゅる!


「視界が悪いからからどこから襲ってくるか分からないのよ、それに埃も凄いからゴーグルとマスクは必須なのよ!!」


「そ、それを先に言ってくれぇっ! ノォーっ!! ぐえっ!」


 どかぼこっ!


「ボブぅっ! 駄目だわ、埃で何処にいるか全くわからないわ!!」


「ノォ~、ヘルプミぃ~!!」


「ダメだわ、声はするけど姿が見えない、このままでは!! そうだわ、バッファローと言えばジャイアンツが大敵のはず!」


「ノォーっ! それは近鉄時代だ、今はオリックスと併合されてるよ、ってそれベースボールぅっ! しかもジャパンの話だよ!!」


「では一体、どうしたら…… あ、『全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ』が去って行ったわ。今年も激しかったわね」


「ジーザス。僕引越します(怒)!」



 こうして今年の風物詩は終わるのだった。


 










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ヘイ、ルーシーもうそんな時期かい? さいとう みさき @saitoumisaki

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