学生トーク「『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』編」

山田 武

学生トーク「『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』編」



「『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』」


「……」


「……についてどう思う?」


「あっ、いつものヤツか」


 再び一年の時を経て、どうやら友人の持病が発症したらしい。

 去年までは基本的に、単語を言っていたのだが……えっ、それ単語じゃないよな?


「まあ、○○ってのは人物を当てはめる部分だから置いておくぞ。三分以内にやらなければならないこと、それについて話せばいいのか?」


「いやまあ、全体的に?」


「……それこそ俺たちが、三分以内にこれについて話すとかじゃないんだな」


「…………おぉっ」


 何やらスマホを操作し出す友人。

 すぐに満足げな表情を浮かべ、こちらに画面を見せてくる。


「……三分切ってるな」


「よし、何か話してくれ」


「…………終わったらなんか奢れよ」


「おうっ!」


 とりあえず言質は取ったので、真面目に考えてみることにしようか。


「まあ、続く文章でも考えるかか……いちおう聞くが、どういうものでもいいよな?」


「ん? まあ、いいけど」


「たとえば、そうだな……続きとして『割り箸を見つけ出さねば、カップ麺が伸びてしまうから』とかいけるんじゃないか?」


「……ありだな」


「ただ、三分ってのもあるし、○○の部分には『某光の戦士』、で続きとして『あの怪獣は彼にしか倒すことができないのだから』みたいなものでもいいか」


「それいいな!」


 日常系よりバトル系の方がお好みか。

 これらは三分、という数字が前提として挙げられているからこそすぐに思いつくような内容だな……残り時間はまだあるか。


「あとは三分関係無く、『電車は間もなく発車してしまう、その前に駅弁を買わなければならない』とか『このRTAは最初が成功しなければ失敗と同義なのだ』、みたいな感じでもいいと思うぞ」


「……RTA、凄い気になるんだけど?」


「具体例は特に無いけど、まあ運頼み要素的な感じじゃないか? たとえば、ランダム系のイベントを回避しないとダメ、だからそこは運頼み……こんなときに使えばいい」


 これまでにやったことのあるゲームの知識から、それっぽいことを言ってみる。

 ……ここで三分のタイマーが鳴った、それなりに思いつけて良かったよ。


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