第7話 〜親友として〜

町の近くまでようやく着いた。まだ夕暮れ時ではない。

時間にはかなり余裕があったようだ。

遠くなので定かでは無いが、町の壁には門があり、その前に門番らしき男3人が立っていた。

初めての異世界人に俺は少し興味を持った。

俺はアオイに言う。


「これが異世界人か…。とりあえず、町の中に入って見ようか?」


アオイは、そうだねと言って、扉の方へ足を動かす。


門まで着いた2人は、門番に挨拶した。


「どーもこんにちは。」


挨拶を済ませ、扉を開けようとすると、門番に止められてしまった。


「ちょっと待ちたまえ君たち、通行証を見せてからじゃないと入れられないよ。」

「通行証…ですか?」


アオイは聞き直した。その隣で嫌な予感を感じた少年は確認する。


「その、通行証…がないと、町に入れない…ということ…ですよね?」

「そうだ。」


うん。詰んでる。

スポーン地点から詰んでたんじゃぇかこれ。


てかふざけて言ってるけど、結構ヤバい状況だよなこれ。

2人は門番に背を向けて、小声で話し始めた。ハヤトは言う。


「一応聞くけど、通行証持ってたりする?」

「何も持ってきていないわよ。」

「これ詰んでたりする?」

「かもしれない。」


2人が困っていると、後ろから声がした。


「あー。その2人僕の連れなんですよー。」


2人は声の方に顔を向けた。

そこには緑と青の2色の髪色を持っている男がいた。きっと異世界人であろう。

年齢は多分同じくらいであった。

男は続けて言う。


「そうだよな。お前ら。」


男はこちらに目を合わせてくる。

男の右手には、おそらく通行証と思われるものを持っていた。

きっと合わせろと伝えているのだろう。

2人は男の優しさに重んじて話しを合わせさせてもらった。


「アー。ソウナンデスヨネー」

「ジツハソウイウコトナンデスヨー」


門番は怪しい顔をしているようにも見えたが、


「そういうことなら…」


門番は門を開けてくれた。3人はそれっぽい顔をしながら町に入っていく。

町に入ると。門が閉まった。

門が閉まると、3人の緊張が抜けたのか、深くため息をついた。男は話した。


「もしかして、余計なお世話だったか?」

「いえいえ。とんでもない。むしろ感謝しています。ありがとうございました。」


2人は礼をした。そして尋ねた。


「あの、失礼かもしれませんが、お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」


男は快く言ってくれた。

「俺は[ダイル]。この町の冒険者だ。」


風がやみ、周りが静まりかえった。

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カウントダウンイセカイタイム あおいろ @aolemonn

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