これが無料で読めるのですか。小説投稿サイトは奥深いものです。
本作が描く世界は恐ろしく広いです。そして恐ろしい世界です。全世界の地理、千年を超える歴史の流れ。読者は眼前で起きる事態を理解できず戸惑います。しかし圧倒的な筆力で迫り、読者の脳に押し込んできます。
商業出版されている小説には、そのような圧倒的な作品が数多くあるでしょう。本作はその水準に達しています。これを無料で読ませてもらってよいのか、読んで得たものと対価のアンバランスさに戸惑います。
当レビューを書いた2024年10月5日現在は第一章が終わった段階とのこと。ここからどれほど作中世界が広がるのか、小生には想像もつきません。
大風呂敷は小説の愉悦。読んで酔い狂えばよいのです。
壮大なラグナロクである。
世界には様々な宗教があり、同様にして数多の神々が存在する。
まさに言語や人種、思考や社会、世界中凡ゆる場所で成される営みが、〈神〉と名づくモノ達の意思の下に生成されているとしたら。ロンドン、アジア、そして日本へと焦点を結んだ時、悲劇は更に加速する。
本作品は、ホラーでありミステリーであると同時に『ラグナロク』なのである。
世界樹の根を延ばすが如く。それはヒトの大脳に於けるシナプス、ニューロンの様に似て、《光の速さ》で構築される。
只、神々の感覚では《悠久》に等しい。
〈神〉とは何か。
その答えは明かされるのか。