『世界から消えた少年』

小田舵木

『世界から消えた少年』

 まるでボタンを一つかけ違えたかのように。

 僕の日常はズレていったんだ。

 僕だって戸惑っている。日常の何かがおかしいって。

 だけどそれを検証する術はない。僕の精神が壊れた可能性もあるからだ。

 人間は。脳を経由して世界を感じ取っている。

 生で世界に触れているわけではない。

 だから。僕はこのボタンをかけ違えたかのような日常をどうこう言う事は出来ない。

 ただただ。甘受するだけである―

 

 僕は空を見上げる。

 いつもの水色の空が僕を迎える。

 空の下で起きている現象など知ったことではない、と言う風に。

 僕はうんざりする。今までの日常と変わってしまった世界。

 僕だけが存在しなくなってしまった日常。

 

 そう。僕の世界から。のだ。

 気がつけば。僕は存在しなかった。

 僕が存在する客観的証拠が。ある日突然消え去ってしまったのだ。

 

 今の僕は。さながらジプシーのようで。

 家にも帰れない。少ない小遣いを握りしめてホームレスのような事をしている。

 だって。僕が産まれたあの家からも。僕の存在だけがすっぽりと落ちていたからだ。

 

 あの日。

 家に帰ると。母親から他人の扱いを受け。

 危うく警察沙汰になるトコロだった。

 僕だってびっくりした。なんたって、自分の母親の面をした人間から、「貴方あなたはどちら様ですか?」と尋ねられたのだから。

 僕はある程度は抵抗してみたさ。だけど。何を言おうが母親は僕を息子だと認めなかった。僕はよっぽど、「貴女の性器から出てきた息子だよ」って言ってやろうかと思ったが。それは無駄というモノだ。何せ、僕の存在は世界から零れ落ちたらしいのだから。

 あの日は。玄関で押し問答しているトコロに親父が帰ってきて。

 ちょっとした喧嘩をして。

 僕は諦めたんだ。

 

 その次の日に学校に行ってみた。あまり期待をせずに。

 当然、僕の名前はクラスの名簿から消えており。教室の僕の席には他人が座っていた。

 友人に話しかけもしてみたが。無視をされ。

 その内現れた教師に僕は連れ去られ。

 職員室で取り調べを受けたが。結局、僕の名前は学校のどの名簿にも載ってなかったんだ。

 警察に突き出されそうになったトコロで。僕はスキを見て逃亡した。

 

 かくして。

 僕の日常はおかしくなった。

 いや。僕の脳がおかしくなったのだろうか?

 しかし。それを検証する術はない。

 他人を使おうにも。他人は誰も僕の事を覚えちゃいないのだ。

 不思議なのは。道端で生活していても警察に絡まれない事だ。

 ホームレスをしている中学生が居たら。確実に通報、補導の憂き目に遭うのだが。

 僕の存在は。僕が積極的に世界に絡んでいかない限り、世界から消えてしまっているらしい。

 

 

                  ◆

 

 世界から消えた僕は。

 河原の橋桁の下で寝泊まりしている。

 コレ。普通なら縄張りにしているホームレスに絡まれるような事態だが。

 当然、僕はホームレス達から無視をされる。僕から話しかけない限り。僕の存在はないのだ。

 ま、これは助かると言えば助かる。

 無駄に喧嘩はしたくない。そもそも世界から爪弾きにされているってだけで僕はかなりヤられているのだ。

 

 僕は橋桁の下に。

 ダンボールとブルーシートで簡易的なテントを建て。

 そこから世界を見守っている。

 

 不思議だなあ、と思うことは。

 僕が居なくたって世界は正常に回っているという事。

 まあ。それは当然の話でもあるのだが。

 僕は僕の脳という窓越しから世界を眺めている訳で。

 僕の存在の消失は大事件なのだが。世界からしてみれば、小事に過ぎないのかも知れない。

 

 ボタンをかけ違えたみたいに。

 日常はおかしくなった。

 僕はあの日から何度も原因を考えているのだが。

 思い当たる節はない。特に何かをしたという訳ではない。

 ただ。普通に学生生活をしていただけなのに。

 気がついたら。世界から僕の存在だけがこぼれ落ちていた。

 

 僕は元々。あまり人と関わる性分ではない。

 それは元々、没交渉な性格をしているからで。

 僕が存在しなくなった今も。あまり世界に影響はないのかも知れない。

 

 だが。バタフライエフェクトという言葉もある。

『ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こすか?』

 この言葉に代表されるバタフライエフェクトは。

 小さな現象が巡り巡って大きな現象を引き起こすというカオス理論なのだが。

 僕の存在の消失が世界を滅ぼすか否か?という疑問を引き起こす。

 

 ま、今のところは。

 世界は滅びそうにない。

 世界は平和に回ってる。僕以外は。

 

                  ◆

 

 僕は。僕が居なくなった世界をそぞろ歩く。

 心境は。核戦争で街が荒廃し、僕だけが生き残った―ような感じなのだが。

 実際は。街は賑わい、鼓動している。僕抜きで。

 

 僕だけが居ない世界。

 僕が傍観者になった世界。

 最近は。何が起こってもあまりショックは受けない。

 僕の存在が消失する前に他の地方で大地震が起こったが。

 今や。そのニュースを見ても。切実な想いは湧いてこない。

 だって。僕が存在しない世界の話だ。知った事ではないのだ。

 まるでフィクション内の大事件に際しているような心境。

 創りモノの事件が街を賑わせているだけ。

 

 僕はコンビニに入る。

 腹が減ったのだ。

 そして。適当に商品棚を物色し、パンを2、3選んで…

 レジに並ばない。そのままさっさと店を出る。

 何せ。僕が干渉しない限り世界には僕は居ないのだから。

 万引きし放題である。僕だって最初の内は律儀にレジに並んで少ない小遣いから払ってた。だが。何日も世界から消えてると。そういう行儀の良さは消失する。

 

 僕は。街を歩きながら、コンビニのパンを貪る。

 こうして。僕は摂食行動をしているのだが。

 世界は。日常は。街は。人は。

 無視をする。まるで存在しないかのように。

 全く。これが何時まで続くかと思うと憂鬱なような気楽なような。

 

 パンを食べ終えて。

 僕は適当な公園に行く。

 そして。ベンチで遠慮なく寝転がる。

 昼間から学生服で公園で寝てようが―僕は存在しないのだから。

 

 猫さえ。僕を無視する。

 僕の寝転んでいるベンチに野良猫がやってきたのだが。

 野良猫は僕の体の上を無頓着に歩き回り。

 最後は腹の上で香箱作って寛ぎだす。

 …猫の体温が。客観的な存在を思い出させるのだが。

 僕はこの世界に存在しないようなモノだ。猫にとっても。

 

                  ◆

 

 僕が存在しなくなってから何ヶ月が経とうか。

 僕は相変わらず河原の橋桁のテントの中で暮らしているのだが。

 スマホも充電が切れてるし、腕時計は失くした。

 

 時間の感覚が怪しくなっている。

 世界と関わりを失くすと、時間なんてどうでもいいようなモノに思えてくるのだ。

 時は刻まれていくのだが。僕はそんな事は知ったこっちゃない。

 日が昇れば起きるし、日が沈めば眠る。

 幸い、暇潰しには困ってない。

 図書館に行ったり、店に行ったり、ネカフェに侵入したり…

 いくらでも時間は消せる。ただ。僕は僕が存在しない世界で時を刻んでる。

 

 アゴに手をやる。

 …ヒゲが伸びっぱなしである。

 うーん。これは。最後にヒゲを剃ってから一週間は経ったらしいな。

 僕はそんな曖昧なタイムスケールの中を生きている。

 

 僕は河原のテントからノソノソと這い出して。

 近くの公園に行き。水道で顔を洗って歯を磨く。

 …正直、顔を洗ったり、歯を磨く必要はないのかも知れないが。

 

 公園を後にすると。

 僕は早朝の街をそぞろ歩いて。

 24時間営業のスーパーに忍び込む。

 ひげ剃りと朝飯を調達する為である。

 

 早朝の24時間営業のスーパーは品出しの真っ最中。

 売り場にはカーゴが無造作に置かれていて。

 僕はその間をくぐりながらひげ剃りを見つけ。惣菜コーナーでおにぎりを見つける。

 品出しの人は。商品が一つ減ったことに気づかない。

 仕事に追われているのだ。

 

 24時間営業のスーパーを後にすると。

 僕は根城の河原の橋桁の下に戻り。

 テントの入口でおにぎりを食べる。

 湿気った海苔が巻かれたおにぎり。

 …母親が作った握りたてのおにぎりが嫌に懐かしい。

 あの日までは。頼めば作ってくれたけど。

 もう。あの女性に何を頼もうが。何もしてくれないだろうな。

 

 僕だけが居ない世界。正常に回る世界。

 僕はそろそろ気が狂ってもおかしくはない。

 なのに。意識はクリアで。思考もクリアだ。

 いっその事。今まで気が狂って行動してた方がスッキリするのだが。

 現実は非情だ。現実は存在する。僕抜きで。

 世界は。僕が居なくたって関係はないのだ。

 そも。世界は数多の人間から構成されるカオスであり。

 少しの入力がなくなったトコロでアウトプットに影響はないのだ。

 バタフライエフェクトなんて。あんなモノは気象だけの世界なのさ…

 

                  ◆

 

「君も―世界から消えたクチかね?」

 

 ある日。

 銭湯の洗い場でヒゲを剃っていると隣の老人に話かけられた。

 久々の事である。僕は返事をするのが遅れてしまった。

「…ああ。はい。そうです」

「どうだい?世界は君無しでも回るだろう?」

「…そっすね」

「んで。消えてからどれくらい経つ?」

「多分。数ヶ月かと」

「まだまだヒヨッコだな」

「そういう貴方は?」

「私かい?もう10数年は経とうとしている」

「…気、狂いそうになりませんか?」

「最初の内はな。だが。私のような老人は…最初から世界に存在しないようなモノ」

「とは言え。家族が居たでしょう?」

「私は独身を貫いてきてね、家族は居ないんだ。それでリタイアしてるから職場もなかった」

「…それは。どうなんだろう?前と変わらない?」

「そうだな。世間から消えかかっていたんだから。それがもう一段階進んだに過ぎない…」


 僕と老人は。洗い場を後にして。

 湯船に浸かる。湯船には僕と老人の二人。

 傍から見れば。孫と老人に見えるかも知れないが。

 僕たち二人は―存在しない。この世界には。

 

 僕たちは銭湯の壁画を見ながら黙り込む。

 僕は。久々の会話のせいか、会話の仕方を忘れてしまっているのだ。

 それは。老人も一緒らしい。そも若者にかける話題すら分からないのだろう。

 僕たちは気まずい時間を湯船で過ごし。

 適当に上がって着替え。

 僕は銭湯の入口で別れようとしたのだが―

 老人はこう言う。「私の家に来い」と。

 僕は断ろうと思ったが。何となく着いて行ってしまった。

 

 老人も。僕と同じで河原暮らしだった。

 僕の橋桁の近所に。彼の家はあった。僕の家と同じブルーシートとダンボールの家。

 僕達はテントの前に座って。

 老人は店からくすねてきたカップ酒をあおる。

 老人は僕にも勧めてきたが。僕は酒が嫌いだ。

 大体。呑んだって気持ち悪くなるだけである。

 

「世界は。無情だな」老人は言う。

「僕たちナシだって世界は崩壊しない」

「全くだ。今まで必死こいて生きてたのが馬鹿らしくなる…この生活をしていると」

「なにせ。僕たちは生活の為のモノを盗み放題だ」

「私は。もっぱら酒を呑んで誤魔化ごまかしているが。君はどうこの寂寥感と向き合っているんだい?」

「…特に何も。ただ。生きているだけです」

「死にたくはならないか」

「偶にね。生きてたって。意味はない」

「君は可哀想だ。その歳で存在を奪われて」

「僕にも何が起こったのかよく分からない」

「私だって。何が起こったのか分からないさ。気がついたら。私は居なかった」

「…特に思い当たる節はない、と」

「ないねえ。せいぜい。存在感が薄かったくらいかな」

「僕は。普通の中学生だったはずなんだけど」

「神は何を与え給うか分からんな」

「神なんて。存在しませんよ」

「…そう思えてくるよなあ。こうなっちまうと」

「もし神が居るのなら。この現象の言い訳をして貰いたい」

「…まったくだ」

 

 僕と老人はテントの前で管を巻く。

 だが。その会話は何処にもいかない。

 ただ。存在しない人間同士が喋っているだけ。

 この世界にはこんな会話は存在しないのだ。

 

 僕は。その事に思い当たるとうんざりして。

 老人のテントを去ろうとしたのだが―

「待ってくれえ!私は寂しいんだ!!放っておかないでくれ!!」悲痛な叫びが木霊する。

 だが。僕はそんな言葉を無視して。自分のテントへと帰る。

 こんな事をしたって。寂寥感は消えたりしないのだ…

 

                  ◆

 

 僕と中途半端に喋ったのが拙かったらしい。

 老人は。あの日を境に狂ってしまった…

 老人は僕の家の辺りを徘徊し、無視する僕を無視して喋っている。

「なあ。少年、世界はおかしいぞ!!」元気に老人は叫ぶのだが。

 おかしいのは貴方だけだ、僕はそう思う。

 世界から爪弾きにされた者が。更に狂う。これ以上の悲しみが世界にあるのだろうか。

 

 僕は狂った老人の言葉を無視し続ける。

 一度でもその言葉に反応してしまえば。老人と同じ世界に旅立ってしまいそうだから。

 僕は。この世界には存在しないが―気が狂う訳にはいかない。

 気が狂ってしまえば。ただでさえおかしい世界が更に狂う。

 僕はただでさえヤられているのに。これ以上。おかしくなる訳にはいかない。

 

                  ◆

 

 毎日。気が狂った老人の叫び声で眼が醒める。

「少年。私達は選ばれた存在なのだ!世界から消失したのではない!!一つ上の段階に進んだのだ!!!」

 そんな訳はない。僕らは卑小な存在である。

 なのに。老人は素直に自分の存在を信じている。滑稽ですらある。

 そも。元から存在しないような存在だった彼が。

 一つ上の段階に進むわけがないじゃないか。

 

 僕は老人を無視しながら朝の身支度を整え。

 後ろから着いてくる老人を無視しながら街に溶ける。

「世界は私らに大注目だ!!そうだ!!股間を出そう!!」老人は往来でズボンを脱ぎ、局部を露出させて。局部を怒張させながら踊り狂う。

 ここはスクランブル交差点の真ん中で。

 こんな事をしていたら逮捕確実なのだが。

 僕らは世界に存在しない。

 何なら若い女性が老人の股間の前を過ぎていく。

 だが。悲鳴は上がらない。僕たちは世界から無視されているのだから。

 

 僕は老人の存在にうんざりする。

 見つけられなければ良かった、心の底からそう思う。

 かの老人は。往来の真ん中で車を避けつつ局部をブラブラさせ。

「なんで!!私を無視するのだああ!!!こんな世界はクソだ。クソを垂れてやるっ!!えんっ!!」とか言いながら往来で大便をしだす。

 だが。そこで気張っている老人も。老人から捻り出される排泄物も。

 存在などしないのだ。何ならサラリーマンが踏んづけていった。

 

 僕は溜息をついて。

 振り向こうと思ったが―

 気張って大便を捻り出した彼は。大型トラックに轢かれていて。

 でも。轢いたモノの存在は無視され。

 存在しない大便と共に、老人は命を落とした。

 

                  ◆

 

 僕はとりあえず。大便を垂れて死んでいった老人を往来から運び出し。

 引きずって彼のテントの近くに埋めた。

 本当は。家の近所に死体を埋葬したくはなかったが。

 しょうがない。彼を弔ってやれるのは僕だけである。

 コンビニからくすねてきたカップ酒を墓前に供える。

 そして。僕は手を合わせて。

 「これで本当に世界から消えてしまいましたね―」と言葉をかける。

 生前に言葉をかけるべきだったのか?しかし。老人は狂っていた。

 僕は狂人の相手が出来るほど狂ってはいない。残念ながら。

 

                  ◆

 

 老人が死んで。

 僕は本当の孤独に戻ってしまった。

 元からない生活感が、更になくなってしまった。

 …これは狂う二歩手前であるかも知れない。

 

 僕は偶に。

 存在を世界に訴える為に。

 あの狂ってしまった老人のような事をしたくなってしまっている。

 股間を露出させながら。スクランブル交差点で踊り狂いたいのだ。

 スクランブル交差点の真ん中で大便を垂れてみたいのだ。

 そして。スクランブル交差点の真ん中で死んでしまいたいのだ。

 

 …死んでしまえば。

 僕の世界の観測は終わる。

 僕を無視する狂った世界。この世界を終わらせてしまえる。

 ああ、一度この考えが頭を過ぎると。

 こびり付いて離れなくなる―

 

                  ◆

 

 気がつけば。僕はスクランブル交差点の真ん中に居る。

 この世界でも最大のスクランブル交差点は。四方から人が怒涛のように押し寄せてくる。

 

 僕はスクランブル交差点の真ん中で。

 服を全部脱ぎ去る。そして股間を怒張させながら踊り狂う。

 ステップを踏んで。腕を激しく動かしながら。

 だが。往来の人々は僕を無視し続ける。

 僕は無性に腹が立って。怒張した股間をしごいて白濁した液をスクランブル交差点に撒き散らす。

 だが。白濁した液は。アスファルトに落ちて。若い女性に踏みつけられる。

 

 僕は更に怒る。

 僕はその場で便所座りをし、大便を垂れる。

 少し下痢気味。だが。その大便すら。若い兄ちゃんに踏みつけられて。

 

 僕はうんざりして。

 路上に寝転がり。信号が赤になるのを待つ。

 空は青い。あの日からずっと。

 何がおかしくなってしまったのだろうか?

 僕?世界?僕の脳みそ?

 考えても分からない。

 

 その内。

 大きなトラックの音が交差点に響き渡る。

 僕は身じろぎ一つせず。それを待ち構える―

 

                  ◆


「今日、半年前から行方不明になっていた中学生の少年が渋谷のスクランブル交差点で全裸で轢かれているのが見つかりました…」


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『世界から消えた少年』 小田舵木 @odakajiki

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