三つの“少し不可思議な”物語

お題その３ 恋愛カレンダー

　惑星Eで発見した原始的なコンピューターに残っていたプログラムは、驚くべき物であった。

　そのプログラムは軍事シミュレーションソフトだった。

　内容は対抗する勢力の幹部候補生を調略して自軍の為に働かせるノウハウを体験するプログラムだ。

　調略する目標は、

　小さい頃から同じコミュニティで育った同級者。

　我に共感して憧れる下級者。

　容姿に優れ、積極的に我に調略を挑んで来る同級者。

　知力・運動能力共に優秀な上級者。

　訓練について行けずドロップアウト寸前の下級者。

　高貴な階級出身で世間知らずな上級者。

　果ては訓練所教官まで。

　幾多のパターンを網羅している。

　兵士は豊富な選択肢を選んで調略目標を翻弄しつつ敵対者を妨害し、場合によっては複数の調略目標のうち一つを選択しなければならない。

　幾つもの困難を排除して、最終的には調略目標を自軍に受け入れさせるのだ。

　惑星Eの兵士は幼少期からこのソフトで訓練をして、実戦で敵軍の幹部を調略して自軍の勝利へ結びつけていたのだ。

　他にも兵器の扱いを訓練するプログラムや、作戦を考えて実行する為のプログラムも発見した。

これらのプログラムを分析した結果、惑星Eの住民はかなり好戦的であったと思われる。

惑星Eの住民は幾多の戦争の結果滅亡したと結論出来る。

　敵幹部を調略する恐ろしいソフトの名前は、

『恋愛カレンダー２　　あの日を忘れない』

　である。

　以上、講義終り！