閑話 とある男子高校生の日常? 4

 「ねぇ輝、今日の朝のニュース見た!? すごいよねまさか本当にダンジョンができたなんてしかも許可証があれば未成年でもダンジョンに入れるなんて!」


 朝のニュースを見終わった後すぐに楓が家に押しかけてきた、地震があった日から学校は万が一のために一週間の休校になったのだ。

 今は家でニュースを見ていたらいきなり楓が輝のいるリビングに押しかけてきた状況だ。

 

 さっきのニュースで国が発表したのをまとめると以下の通りになる。


 1 世界中に現れた未知の生物がいる謎の建造物をダンジョンと定義すること


 2 ダンジョンから未知のエネルギーを持つ物質が見つかりその物質が持つエネルギーが世界のエネルギー問題を解決する可能性があるためダンジョンを探索する者、探索者と言う職業を今後世界規模で作り募集する事


 3 2の通りダンジョン探索を行うに際し探索者という職業を作るためダンジョンなどの知識を豊富にもつ日本が中心となり世界ダンジョン探索者協会を設立すること


 4 ダンジョンを探索するためにはダンジョン探索者協会が発行する探索者許可証を所持する必要がある、また探索者許可証はダンジョン探索者協会を行う試験を行い合格した者にのみ発行される


 5 ダンジョンを探索する者はダンジョン内のことに関して全て自己責任とする



かなり適当だけどこれが日本政府が緊急記者会見を開いて発表した内容のまとめだ。

 つまり新しく作られるダンジョン探索協会で試験に合格して探索者許可証を発行して貰えば未成年の輝たちでも自己責任でダンジョンに入っても問題ないのだ。


 「まさか国が未成年までダンジョンに入るのを許可するとは思わなかったけどな、それにしてもダンジョンか…、今まで漫画やゲームの中だけの存在だったダンジョンが現実にできただけじゃなくて冒険までできるなんてな」


 「そうだよ輝! 輝が好きなあのファンタジーのダンジョンに入れるんだよ、それに前に約束したでしょ! もしあの建物がダンジョンだったらみんなで一緒に冒険しようって!」


 確かに地震があった日に楓達と連絡をとった日に冗談で謎の建造物がもしダンジョンだったらみんなで冒険でもしようと約束をしていたのだ。


 「でも楓本当にいいのか? 正直そこまで俺に付き合わなくてもいいんだぞダンジョンに入るためには許可証が必要だしそのためには試験を受けないといけないだろう」


 「何言ってんの! 確かに勉強は苦手だけど輝を危険な場所に1人でいかせられるわけないでしょ! 私は輝のお母さんから輝の面倒を見てあげてほしいって頼まれてるんだからね」


 「子供じゃないんだから楓に世話されなくても大丈夫だって! それに俺のわがままで楓達を危険な場所に連れて行けないだろダンジョンの中は自己責任なんだぞ」


 「だとしても私たちは輝と一緒に冒険したいって思ってるよ、それに輝のわがままじゃなくて私たちのわがままだよこれは、私だけじゃなくて静華も葵も雪音も同じ思いだからね、だから輝が気にする必要はないよ」


 本当にいいのか? いくら友達でも危険な場所に連れてくなんて、でも楓の言う通り本人が行きたいのに止められないしな。

 まあ、仮に危険な目に遭っても一緒に行くんだから俺が守ればいいか、それに俺も1人で行くより楓たちとパーティーを組んでダンジョンに行く方が楽しそうだ。


 「わかった、それじゃあみんなで行って試験を受けよう、あ! でもまずは親にダンジョンに行く許可をもらわないとな、流石に親の許可なしにダンジョンなんて危険な場所に行けないだろ?」


 「そうだね、それじゃあみんなまずは許可をもらってから試験を受けに行こう多分みんな親に許可をもらうのが一番大変だろうから」


 ダンジョン探索者協会本部を建てるには時間がかかる、だから東京の国会議事堂内に探索者協会本部を創設し本部は探索者協会の役員が働くだけで探索者は緊急時以外は入れない。

 探索者試験はその本部で今後定期的に行うようだ、そして全国にあるダンジョンの最寄りにダンジョン探索者協会支部を作りそこで探索者はダンジョンで手に入れた物を売買することが出来るようになる。

 

 輝たちはそれぞれ親に両親に探索者になりたいことを話した。

 当然両親は反対した、これがゲームに出てくるダンジョンなら両親も安心していられただろう、だが輝が言っているのはゲームのダンジョンではなく現実に現れた本物のダンジョンなのだ。

 テレビでもダンジョンで亡くなった人がすでに出ていると報道されているのだ輝が探索者になってダンジョンに行きたいと言ってもはいそうですかと首を縦に振るわけにはいかない、両親は輝のことが心配なのだ親がこの心配をするのは当然のことである、それは輝の家族だけでなく楓と静華、葵と雪音の四人の家族も同様だ。


 

 あれから輝たち5人は長い説得の末、なんとか両親の許可を得ることが出来た。

 ただし幾つかの約束を家族とする事になった。


 1 日帰りで帰れる範囲のダンジョンしか行っては行けないこと。


 2 ダンジョンの深い階層までは行かないこと。


 3 危険な魔物と無理に戦わずに無理だと思ったらちゃんと逃げる事。


 4 学校を卒業するまではちゃんと学業も疎かにせず学業と探索者活動を両立させる事。


 5 ちゃんと無事に帰ってくること。


 これらの事を家族と約束した、輝たちもダンジョンに冒険に行きたいが命をかけてまで戦いたいとは今は思わない、輝たちは今はまだ未成年なのだ、いくら探索者が未成年でもなれるとは言えちゃんとその辺りのことは輝たちも考えている。


 「もしもし輝? どう? おじさん達から探索者試験受ける許可もらえた? ちなみにわたしはなんとかもらえたよ、静華と葵と雪音もなんとか貰えたってさっきメールがきたよ」


 楓から電話が来た、どうやらみんなも家族から許可を貰えたらしいこれで5人揃って探索者試験を受けることが出来る。

 探索者試験は二週間後に第1回目が行われる、それまで自衛隊が行なっているダンジョン講習やもしもの時のサバイバル術などを学んでおかなければいけない。


 「これからやることがいっぱいあるけどちょうど学校も臨時休校だしその間に準備して全員で試験に合格してダンジョンに行くぞ」


 「なんか高校受験よりも緊張してきたよ! よし! 明日みんなで集まって一緒に近くの自衛隊駐屯地に行ってダンジョン講習受けに行こう」


 輝たちは探索者試験に向けてぞれぞれが明日の準備を始めた。


 

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初心者探索者でダンジョンマスターって大変なんですけど!? ダンジョンマスターだってバレないようにダンジョン運営頑張ります! 夜桜 赤龍 @memorylibrary

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