カルト　～幸せとは～

　二年前、妻と死別した篤史(私)は息子の唯人との二人暮らしである。篤史は父として精一杯家庭を支えてきたが、唯人は全身に赤いアザができるという原因不明の病に侵され、篤史もいまだに心の整理ができずに妻の影を追い続ける生活は好転せず、篤史の精神は限界に近づいていた。
　ある日、私と唯人は貂神教会という宗教に所属する「和央」という男に出会い、療治の水を貰う。その水を飲んだ唯人は二年間ずっと悩まされてきたアザが痛くないと喜んだ。
　その後も度重なる貂神教会絡みのトラブルに困惑する篤史であったが、あることをきっかけに貂神教会の本拠地へ乗り込むこととなる。
　東北の田舎の地で篤史と唯人は非日常的な日々を送ることになるのだが…、