これがアニメ?


「とはいっても妹扱いってどういうことをすればいいのか分からないんだよな。晴菜はなは分かる?」


「ん〜いつもはこんなお兄ちゃんが居たらいいな的な感じのことをしてるから、私たちもよく分からないの」


どうすればいいか考えてるが思いつかず、周りの園児たちを見るがよく同じような表情をしていた。どうしたものか。


「じゃあアニメとかを見てみよう!みんな!1度クラスに戻ろっか!」


春先生は俺の背後から抱きしめ、そう言う。

それを見た園児たちは先生に悪態をつく。


「あっ!先生ずるい!」

「「「ブーブー!」」」


「ズルくないですぅ〜!鬼の特権ですぅ〜!」


べ〜!と舌を出し、他の園児たちを挑発する。園児たちは悔しそうな表情を浮かべている。


「先生...大人気ない」

「先生、ダメじゃない?」


「うっ!やめて!私の心にダメージが!」


春先生は園児たちの言葉にダメージを受け、胸を抑える仕草をする。


「と、とにかくアニメを見よう!さぁ!みんな!クラスに戻ろう!」


「「「「「「「はーい」」」」」」」


これ以上責められるのはまずいと思った先生は兄ごっこをやめさせ、クラスに戻ることとなった。クラスの扉を開けるとそこには桜と美海ちゃんがバタバタしていた。


「何してるんだ君たちは」


「アニメ見るんだよね!準備は終わったよ!」


「どのアニメを見るのかしら?...まさか兄愛!?」


2人はおそらくアニメが好きなのだろう。アニメは確かに面白いが、俺の歳だと深夜アニメの方が面白いんだがな。


「『お兄ちゃんにお任せ!』っていうアニメだね」


「「「「「やったぁ!初めてのやつだ!」」」」」


園児たちはまるで使い方を知っていたかのようにせっせと準備をし始める。


「春先生、使い方教えたの?」


「...1回も教えてない。なんで知ってるのかしら。すごい子達ね」


俺と春先生が関心しているとアニメが流れ始める。


『私は桃園ももぞの かおる!大好きなお兄ちゃんのために何かをしてあげたい!...だけど、私はおっちょこちょいでよく失敗しちゃうの!』


小学生ぐらいの女の子が元気よく歩いているところからアニメはスタートした。なるほどな。前世で言うところの少女漫画ちゃ〇か。


『うぇーん!どうしよう!鍵を落としちゃった!』


桃園ももぞのさんが急に転び、鍵が側溝に落ちてしまったようだ。何とかして取りたいようだが、無理なようだ。


『ドウシタンダ』


お兄ちゃんの見た目はとてもかっこいい。だがまさかの棒読みだと!?これは酷いな!大事な主役が棒読みって...。お兄ちゃんは主役じゃないか?


「「「「「…は?ふざけんなよ?」」」」」


園児たちはそのキャラクターがセリフを言った瞬間、冷たい声を出していた。そして、何故かこっちを見る。嫌な予感がするな。

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男女比がおかしい世界で色んな人に愛される チキンズチキン @tikinzu

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