第2話 貴方への想い

☆中森明菜(なかもりあきな)サイド☆


私は引き籠った。

その理由としては全てが絶望と化した為だ。

私の部屋は4畳ぐらいの部屋であるが殆どが漫画。

ライトノベル、エロゲで埋め尽くされている。

私は特にこの中でエロゲが好きだ。


何故なら答えは簡単。

お兄を堕とすのにとても便利だから。

そういう事である。

私はニヤッとしながら部屋を見渡す。

キスってこんなに心地良いものだったんだなと思う。


「...ここまで来たからには最後まで陥落させないとね」


そんな事を言いながら私はヘッドフォンをする。

それからゲームに励んだ。

とは言ってもエロゲームだけどだ。

でも私にとっては人生の教科書で有りとても必要な事である。


なんたってお兄が好きだからだ。

世界中の誰よりも好きである。

その気持ちは2年前から変わらない。


「...う...ふふ」


私は歪んだ笑みを浮かべながらニヤニヤする。

私の好きなキャラクターを見ながらだ。

目の前のこの子は特にエッチでいそしむ。

だからこそ好きだ。


「...良いなぁ」


そんな私だが。

3年前にお兄と出会った。

その時は私はお兄が嫌いだった。

何故ならお兄は私を嫌っていたからだ。


だからこそ私もお兄を嫌っていた。

反発。

まさに歪な関係だった。


そんな私達が仲良くなるきっかけがあった。

それは...母親が病気で亡くなった。

それも父親に次いでだが。

私はあまりの事にショックを受けて泣いた。

その時にお兄が寄り添ってくれたのだ。


私はそれ以降お兄を慕う様になっていき。

徐々に大好きな気持ちが浮かんできた。

だが。


1年前に引き籠りになりお兄に気持ちを伝えられぬまま1年が経った。

だが今回、確率変動に入った。

それはどういう事か。

単純。


「彼氏の事が」とどうのこうのとお兄が言ったからだ。

私は秘めていた気持ちを吐き出して襲った。

お兄を、だ。

そしてうっぷんを晴らすかの如くお兄を舐めまわした。

正直これで身体が疼く感じだ。


「...だけど」


私は決してエッチな事は自らではしない。

何故ならそれをすると色々と身体が壊れるから。

だからこそ全てを解き放つ時を待つ。

その時こそお兄と一緒になる時だ。


「...ふふ」


何だか嬉しくなって私はゲームをする。

オンラインゲーム、えっちなゲーム全般。

私はニヤニヤしながらお兄の帰りをカーテンの閉じられた暗闇で待つ。

お兄の生活音を聴く。

正直これで安心するのだ。


☆中森俊太(なかもりしゅんた)サイド☆


頭おかしい。

と思うのだが...。

い、いきなりキスした挙句、大人のキスをしてくるとか尋常ではない。


それも初体験なのだが。

俺は真っ赤になりながら目の前の数学を見る。

黒板を見るが全く集中できない。

あまりに濃密すぎて話にならない。


「...クソッタレが」

「どうしたの?」


数学の授業が終わってから俺は彩羽に声を掛けられた。

幼馴染の鷺元彩羽(さぎもといろは)。

顔立ちは美少女。

鼻とか目とか整っている。

正直俺には勿体無い美少女である。

ボブで髪留めを着けている。


「い、いや。何でもない」

「え?今何か吐き捨てていたよね?」

「彩羽。すまないけど少しだけ俺を放って置いてくれ」

「それは出来ないですねぇ?」

「何でだよ」


彩羽は柔和になりながらお弁当の様なものを出す。

俺は目をパチクリしながら布の包みを受け取る。

「何だこれは」と彩羽に聞くと彩羽は「うん。お弁当」と恥じらった。

へ?


「何で急にお弁当...」

「最近、料理が趣味なの。だから作った」

「...!」

「...ま、まずは俊太に食べてほしくて」

「...そ、そうですか」


正直好きな人からそんなものを受け取ると興奮する。

いや性的じゃなくてだ。

俺は思いながら汗をかいていると「こら。しゅんよ」と声がした。

横を見ると俺の友人のジト目の烏丸五十八(からすまるいとや)が居た。

スキンヘッドの野球少年。


「何だ?五十八」

「いやなんだじゃねーよ。クラスを見ろ」

「...は?...うわ!?」


男子達が血涙を流しそれぞれ武器を所持。

持っていた。

消火器、モップ、バット。


おいおいおいおい!?

俺は五十八を見る。

五十八は「童貞達にまざまざと見せるもんじゃないぞ。このクラスでな」と苦笑いを浮かべる。

教えろよ!?


「やっちまうか?」

「良いかもしれんな。銀髪の美人も居るって話だろ」

「まあ確かにな」

「ぶっ殺す」


「二股野郎に制裁をぉ!!!!!」と言いながら俺を捕える五十八。

逃げる俺をだ。

ふざけんなコイツらぁ!

思いながら俺は苦笑する彩羽の中。

脇こちょこちょで処刑された。

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ドアの向こう、陥落への道 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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