ドアの向こう、陥落への道

アキノリ@pokkey11.1

第一章 残念。引き籠っても私は性格は変わっていません。

崩れ行く概念

第1話 陥落へスタート

☆中森俊太(なかもりしゅんた)サイド☆


県立高校3年生になってしまった。

丁度今年の3月の事であるが。

俺は同じ高校の引き籠ったままの当時高校1年生のままの中森明菜(なかもりあきな)の部屋を見つめる。

それから明菜に声を掛ける。


「部屋から出ないか」


と、であるが。

だが明菜から返事はない。

知っている。

明菜は絶対に部屋から出ないのだ。

風呂とかトイレ以外は。


明菜は...猛烈なイジメに遭った。

そして1年前に引き籠ったのである。

だからこそ俺は知っている。

明菜は部屋から出ないと。


ブラコンでしかもヤンデレ気味だった?様な彼女なんだがな。


まあ今となっては属性はどうでも良いけど。

1年前の話だ。

変わっているだろうしな。


でもどうであれ俺は明菜に会いたい。

そう思ってから俺は考えた末にこういう言葉を発した。

「明菜。彼氏を作ったらどうだ」と。

すると効果があったのかドアが何とゆっくり開いた。


それからジト目の銀髪の少女が出てくる。

ヘッドフォンを着けている。

全く日焼けの無い様な白い肌。

整った顔立ち。

美少女の明菜が出て来た。


「...かれし、がなに?」

「...いや。ゴメン。それは言葉のあやだ。つまりお前をおびき寄せる為の餌だった。すまない」

「...」

「...久々だな。明菜」

「半年ぶりかもね」


この明菜の髪の色。

アルビノの長髪。

これでイジメを受けたのだ。

それで明菜は短いズボンとパーカー姿で足元を見る。

そして俺の顔を見てきた。


「...高校に行くの」

「そうだな。今からな」

「...そう。...さっきの答えだけど」

「ああ。彼氏作ったらどうだって話か。あれは撒き餌...」

「お兄以外の彼氏は要らない」


俺にそう言いながら俺を指差す明菜。

ハハハ。またジョークが過ぎる。

それは多分...俺から多少なりとも良い感じを得たいだけだろう。

俺は苦笑しながら「ジョークは良いから」と言う。

すると明菜は睨んだ。


「...ジョーク?そんな扱いするの?」

「...へ?」

「私が2年間貴方を想っているのは変わらない。...ただ体調が悪かったから会えなかっただけ」

「...へ...な、何...!?」

「証明して見せようか?兄妹ぐらいならキスぐらいするよね」


そしていきなり赤面の明菜は俺のネクタイを素早く掴んだ。

制服のネクタイを掴んでそのままキスをす、なに...!?

俺は真っ赤になってから暴れるがそのまま明菜は舌を入れてきた。


それから唾を飲み始めた。

濃厚なキスをする。

大人のキス...なぁ!!!!?


「あきな、ま!?」

「待たない。チュー...じゅるっじゅるっ...」


なんてこった!

俺は初キッスを奪われただけではなくこんな濃厚なキス!?

ヤバイ!何かがヤバイ!マジヤバイ!

何なんだコイツ!?

そしてよだれを飲みながら俺から口を離した。


「はは。私の勝ちだね」

「...ふざけるなおま...」

「...何?セックスしたい?私と」

「アホこの痴女!なんてこった!他の男にやっているじゃ無いだろうな!?俺が居ない時とか!」

「そんな訳ないでしょ。...私はあくまでお兄の精子を求めてる身体だし。...敢えて指を膣に突っ込んでないのに。案外膣って脆いんだよ?壊れない様にし...」

「よし分かった!もう黙れ!?」


俺は鞄を抱える。

それからよだれを拭きながら「...兄妹でもこんな事はしないぞ」と赤面で明菜を見つめる。

明菜は俺を見ながら口元に手を添える。

それから指を口に咥えて唾を天井に向かって伸ばす。


「...お兄の唾液。とっても美味しかった」

「...」


俺は真っ赤になって大慌てでその場を去る。

それから階段を駆けだした時。

明菜がこう呟いた気がした。


「お兄。私がこれからお兄の全てを陥落させてあげる」と。

俺はゾッとしながら背後を見る。

だが既に明菜は部屋に戻っていた。

答えは分からなかった。

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