鍛錬は一人で
「なるほど」
俺はこの国の騎士団と共に、魔王を討伐をするらしい、正直サポートよりのジョブで申し訳ない。召還者なのに、あまり目立った活躍できなさそうだ。
「ですが、今騎士団のメンバーに会わせるわけにはいけません。気難しい人が多いので。この世界のことを何も知らずに関わると、どんな扱いをされるか…」
「そういうものなんですか?」
「そういうものなんです」
そういうものだそうだ。過去にトラブルでもあったのだろうか。確かに、よそ者に対して歓迎しているとも限らないし、そんななかで無礼があれば、どんな扱いがされるのやら。
「ではこれから、具体的には何をすれば?」
「まずは、ステータス以外の戦闘力、つまりセンスや技術を見たいので、これから修練施設に向かいます」
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修練施設ではまず、ジョブを成長させるように言われた。
カカシのような的に、とにかくスキルを撃ち込んだ。すると、俊敏と魔法系ステータスを中心にガンガン数字が伸びていた。
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デガラ シュウト
ジョブ 斥候Lv.3 僧侶Lv.3
スキル 翻訳(共通) 監視(斥候) 隠密(斥候)
回復魔法(僧侶) 解毒魔法(僧侶)
攻撃 20
防御 15
魔力 50(僧侶30)
魔防 45(僧侶30)
俊敏 105(斥候60)
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ステータスだけでなく、新たに隠密と解毒のスキルが手に入り、ジョブにはレベルが追加されていた。
「今日はここまでにしましょうか」
ステータスを確認したスイカは、このままいけば、一週間で騎士団と合流、そこから一月で討伐に向かえると言っていた。
つまり、魔王討伐に向かうまで、一月ちょっとだと言う。
転移初日から修練が始まって驚いたが、そこまで討伐を急いでいるのなら、このスケジュールも納得だ。
俺はまだ、この世界でスイカにしか会っていない。俺の見えないところで、どれだけ苦しんでいる人がいるかどうか分からない。この世界のことを、あまりにも知らなさすぎるのだ。
でも騎士団含め、他の人との接触を制限されている今、一人で鍛えるしかない。
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鍛練を始めて一週間経った頃、俊敏は大きく伸びたものの
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デガラ シュウト
ジョブ 斥候Lv.5 僧侶Lv.5
スキル 翻訳(共通) 監視(斥候) 隠密(斥候)
回復魔法(僧侶) 解毒魔法(僧侶)
攻撃 25
防御 20
魔力 75(僧侶50)
魔防 70(僧侶50)
俊敏 170(斥候100)
~~~~~~~~~~~~~~~
それ以外の能力は、上昇量も微々たるものだった。
「スイカさん、あまり強くなっている気がしないんですけど」
「それは、仕方のないことです。ずっと同じ的と戦っているので、成長速度が緩やかになっているのです。」
「そうですね…では、そろそろ次の段階に入りましょうか」
使い捨てられた召喚者の復讐譚 葦艸草生 @kanzakiyuya
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