第4話 船の中で

飛び立った宇宙船にて、


「最初はどうなることかと思ったが、出発できて良かった」


「ホントね。燃料がなくなっちゃって、給油できそうなところもなくて、とりあえず見つけた星に着陸したけど、そこで燃料補給できてよかったわね」


「良い燃料があんなにある星で良かったな。しかしまさかあんなに宇宙道が渋滞していて燃料切れかけるとはなぁ」


「元はといえば、旅行前にしっかりと、燃料入れなかったあなたがいけなかったんでしょう!私言ったわよね?燃料は大丈夫?って!」


「面目ない・・・」


 船内で宇宙人夫婦が会話する。


「でもあれだな、この翻訳機はなんか全然だめだな。ちゃんと通訳してくれてる感じがしない。最低限しか伝わってない感じしたし」


「あなたが安物買うからでしょ。しかも一台しか用意なかったから私達あんまりあの星の人たちの言ってることわからなかったし」


「今度は全員分買おうね」


 そこで窓の外の星を見ていた息子が上機嫌に話しだす。


「いい星だったなぁ~、また行こうね、お父さん、お母さん!」


「そうね、私達みたいな庶民にも親切にしてくれて、良い星だったものね。きっと行きましょうね」


「そうだな。まだ宇宙航海をするほどの技術力はないのに、外の者に親切な民族とは珍しいからな。あのお礼に置いてきたものも彼らならユウコウに使ってくれるだろうな」


 宇宙船の中で家族は温かく笑いあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙人〜地球に宇宙船が舞い降りて宇宙人が出現〜 赤坂英二 @akasakaeiji_dada

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画