モノメモリー

*はじめに*

読者様のレビューの中で面白いものがあったのでそれを参考にしています。


+++++++++++++++++++++



「アイツ、今何してんだろ」


ふとアイツと歩いた近所の桜並木を1人で散歩しながら思い出す――


…が!?

あんまり覚えていないということに気づいてしまった…

あたしがチャーハンを作ったときに、とてつもなく美味しいと騒いでくれたアイツ。


あの日はなんの日だったっけ。

桜の花びらを落ちる前に取ろうとピョンピョンしてたな。

今日みたいな晴れの日だったかも。


色々な考えが頭をよぎっていく。

そういえばあれ以来チャーハンを作っていない、


「そうだ。」


今日の昼食はまだ決まっていないし、久しぶりに作ろう



+++++++++++++++++++++



どっかで男女の恋愛観の違いを言っている雑誌を見た。

内容を要約すると、

男性は彼女の名前や性格を結構な確率で覚えている、

しかし女性は最近の彼氏しかあまり記憶に残っていない。

とのことだった。


あたしはどうだろう。

どちらかと言えば確かに最近の彼氏アイツのことが1番ハッキリ覚えてるかもしれない。

それにしてもどの彼氏相手にも「思い出」を全く覚えてないな…





…あれ?

それだと、もはやカラフルで綺麗な「思い出」ではなく、ただのの「」…?


記憶力が無いのは昔からでしょうがないのだが、

もう一つあたしの特徴(特徴とよんでいいのか?)があり、

それはがとてつもなく苦手であるということ!!!!



小さいときも、それはもう根っからの断捨離の苦手さを発揮し、毎年一番最後に大掃除を泣きながら終えるわ(親に勝手に使っていないおもちゃを捨てられたため)、筆箱の中身は小さくなって使えない鉛筆でいっぱいになるわ、とホントにが捨てられない。

なんなら今でも小さい頃のお人形が棚の一角を占領している。

(誰か…、あたしの大掃除手伝ってください…)



…ということもあり、皆さんお察しの通り

彼氏がくれたものも捨てられません ☆キラン


あ、えっと、あの、君!!!

引かないでよ!?

「捨てられない」って言っても残してあるだけだし!?

使ってないし!?

(あれれ、あたしこれ誰に言ってんだろ)


そんな感じで1個だけ残したを「メモリー」と呼んでいる。

そこそこしっくりくるし、メモリーって「思い出」って意味だったり「モノ」は「モノクロ」と「もの」をかけているみたいであたしの割に面白いと思っちゃったりで気に入っている。

(まあ、こうやって総称することで新しい彼氏にも何も聞かれずに済んでいるっていうのが一番のメリットだったりもするんだけど…)


ちゃんとルールを決めて1個以外は捨てて、かつ使っていないあたしだが、

アイツのは使ってしまう…



とゆーか、使わないのがもったいなさすぎるだけであってぇ、使いたくて使っているわけではない…


アイツの

それは…


……


…とっても高性能なフライパン!!!!


女子でも片手で持てるほどの軽さに、取っ手の取り外し可能、少し深めなのでパスタなどの麺類も茹でることができ、なおかつ焦げ付きづらい!!!!


こんな高性能なフライパンを使わないなんてもったいない!

だから、あたしは使う!


なんならそれを使って現在形でチャーハンを作り終えた!!!!



+++++++++++++++++++++



「いただきます…」


モノメモリー、ちゃんと捨てなきゃかなぁ…

できたてチャーハンを頬張りながら思う。


「!?」

「我ながらうっまぁ!!」


別に捨てなくてもいっか!

こんなに美味しいもの作れるし!!


(また一歩、断捨離上手への道が遠のくのであった…)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

恋味&モノメモリー ゆ〜 @MainitiNichiyo-bi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画

同じコレクションの次の小説

Seabed.

★6 現代ドラマ 完結済 1話