実際に体験したことのある人とそうでない人とでは
この物語から感じる、彼の「心情」というものに
三途の川よりも広い隔たりがあると思う。
恐らくこのケースは首謀者不在のいじめの形態
空気を読んだ結果であり、一人ひとりに罪悪感など微塵もないのであろう。
学校など、知識と経験を詰め込むための一過性の檻だ、
そう達観できるのなら、あの三年間はそう悪くないものなのかも知れない。
だが、当時はそうは思えなかった
今の自分の周りの事象が世界のすべて
そんな「勘違いが」不幸な時間を生む
彼にとっての現世と彼岸との境界はどのようなものであったのか
彼女のことばが、彼にとって救いをもたらすものであってくれればと
願わずにはいられない。