それは、人の心を動かし、それまでの在り方を変える魔法。

「食べる人間の第一号は、あなたにするわ。あなたが死んだら、あたくしが食べる。だからあなたも、あたくしが先に死んだら美味しく調理して食べ尽くしてね」

聖女に憧れ、捜索までするほど突き動かすことも。
その人が作ってくれたご飯に、感銘を受けることも。
その人の価値観や過去を受け入れて、その人の好きな物で満たしてやりたい、自分の最後を託したい、託されたいと思うのも。

ひどく奇妙で、とてもあたたかくて、なんだか涙が出てしまう。そんな物語です。