面白く読み進められるファンタジー小説

 ベル、エルマ、少年の3人を中心に展開されるファンタジー小説です。ノズフェデンの神殿からの脱出劇は、世界観設定の説明を交えつつ、テンポよくスリリングに描かれていて、面白く読み進められました。

 特に印象的だったのは、ベルとエルマの掛け合いです。二人の関係性や性格の違いが、会話を通してよく表現されていました。ベルの勝気で猪突猛進な一面と、エルマの冷静沈着さのコントラストが、物語に奥行きを持たせています。

 神殿を維持するために不死者のエーテルを利用していたというアイデアも興味深かったです。善悪だけでは割り切れない倫理的ジレンマが垣間見えて、考えさせられました。

 また、少年の存在は謎に包まれていますが、物語の重要な鍵を握っているようで気になります。

 デミスとアイギス、ブラフマなど気になるキーワードが散りばめられていて、今後の展開に期待が持てます。次回の更新が楽しみです。ファンタジー設定を活かしつつ、キャラクター達の人間ドラマをじっくり描いてほしいですね。