舞台はヴァンパイアやグールが存在する世界。
彼らを駆除する組織「クルースニク」に所属するエルザは、人間とヴァンパイアのハーフ、ダンピールである。
その出自ゆえに周囲と壁を築いて生きてきたエルザだが、その高く分厚い壁を意気揚々と乗り越えて、彼女を過激に、そして華麗に掻っ攫った青年がいた。純血のヴァンパイアであるギルベルトだ。
ギルベルトの館へ連れ去られたエルザは、人ならざる者の世界へより深く足を踏み入れることになる――。
吸血鬼が題材ということで、時に残酷に、そして妖艶に展開するストーリーに心惹かれました。
ダンピールであるというジレンマを抱えて他者と深く関わる事を避けていたエルザですが、自分の置かれた環境に屈することなく凛と力強く立ち向かっていく様も素敵です。それでいて一人の女性としてとても美しいのですから、そりゃあギルベルトも一目惚れしてしまいますよ……!
母を殺したヴァンパイアとの確執、ギルベルトの思惑、そして、溺愛――!
まだまだ楽しめる要素がもりだくさんなヴァンパイアロマンス、ぜひご一読あれ!
団体行動が出来ないエルザ・バルテルス。
今日も今日とて、副隊長のアルヴァーに怒られる日だが、本人は何処吹く風。
彼女は、ヴァンパイアと人間の間に合い生まれた、ダンピールだ。
ヴァンパイアのように好んで血をすすることは無いが、暴走して食い殺すこともある。
その背景から受ける差別もあって、エルザは心を閉ざしていた。
そんな中、隊長のルティスにグール退治を命じられたエルザは、人の言葉を喋る男に出会う。
「お姉さん、おいしそう。食べていい?」
変態的発言をした男は、ギルベルトと名乗り、エルザを連れ去る。
ギルベルトは何者なのか?
なぜエルザを連れ去ったのか?
軽快なテンポで繰り広げられる会話と、謎多きヴァンパイアに魅せられるストーリーです。