ローリア~生命の神~

白梟

第1話 プロローグ


――濡れた髪。張り付いた服。微かに震える唇。

  

  嵐の夜、玄関前に立つ君の姿。


「…ルタ、わたしローリアになるの」


「凄くなんかないよ」


「会えなくなるの、寂しいね」


「今までありがとう。楽しかった」


「なんでそんなこと言うのって?んー…なんでだろうね」


「泣いてないよ、雨のせいだもん」


「あ…呼ばれてるから、もう行かなきゃ」


――ばいばい、ルタ。




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