天才女子高生探偵・小林声が還ってきた! 彼女が新たに挑むのは日常の謎。

【第5編まで拝読した感想】

 本作は天才女子高生探偵・小林声が日常の謎に挑む小林シリーズ第3弾です。

第1編『少女探偵と五十円玉二十枚の謎』
 ミステリ界を代表する日常の謎「五十円玉二十枚の謎」を題材とした短編。果たして「五十円玉二十枚を毎週千円札に両替する理由」とは?

第2編『凍ったケトル』
 探偵事務所を営む鏑木は、小林がケトルを冷凍庫に入れているのを発見する。理由を問うと彼女は「そんなの湯が沸くまでの時間を待ちたくないからに決まっているだろうが」とますます意味不明なことを答える。彼女の行動の真相とは?
 
第3編『鏡開き』
 二瓶由紀子はある夜中、勝手口の扉が閉まる音を聞いた。翌朝、唯一の家族である娘に尋ねてみるも「何も知らない」と答える。扉の音は何を表すのか? 珍しくホラー調の一編。
 
第4編『即死ダウト』
 小林はトランプゲーム「ダウト」を応用したギャンブルに挑む。果たして彼女はどんなイカサマを使い、勝負を持ちかけるのか。見事な物理トリックと伏線回収の妙が光るシリーズ屈指の名編。本編はのちに新感覚ギャンブルミステリー『学園ギャンブル』への布石となります。

第5編『時をかける探偵』
 腕時計を忘れた鏑木が小林に時刻を尋ねると、彼女が示した時計には午後8時14分と表示されていた。しかしその後、彼は午後8時を知らせる時報を耳にする。果たして小林は時空を超えてタイムスリップしたのか?

 どれも物理トリックや本格ミステリへの愛が詰まった短編です。ひとつでも気になる謎があったら覗いてみてください!