第2話 サルフ・ジャイフィアンの戦い
ヘトゥアラを
最初に
「ええい、
「は、
勇猛ではあるがいささか血の気が多く思慮の浅い
旧暦の2月末。
「もうよい!
むしろ手柄を独占する好機ではないか、という考えが鎌首をもたげてきたことも、理由の一つであったろう。
旧暦3月1日。
無理な渡河で少なからぬ兵を失うこととなったが、功を焦る
渡河を果たした
ジャイフィアン山の
同日夕刻、ヌルハチ率いる
「サルフの戦い」と総称される一連の戦いの、幕が上がる。
ヌルハチは、
これがいわゆる
そのうちの
「ギリンハダの陣の救援に向かわれるのではないのですか?」
幕僚の問いに、ヌルハチはにやりと笑って答えた。
「やつらもそう思っていることであろうよ」
この一連の戦いにおけるヌルハチの方針は、戦略レベルから戦術レベルまで徹底している。
すなわち、敵軍の分散につけ込んで各個撃破。これに尽きる。
次男のダイシャンと八男のホンタイジにそれぞれ
サルフ山の守備兵たちは、自分たちは敵軍と対峙しているジャイフィアン山の部隊の
そこに夜襲を仕掛けられたのだからひとたまりもない。暗闇の中で接近戦に持ち込まれ、
「な!? 蛮族どもに背後を取られただと!?」
ヌルハチは間髪を入れずジャイフィアン山に陣取る
剛力自慢の
「こんなところで! こんなところで! こんな……」
恨み言を撒き散らしながら奮戦していた
そのこめかみに、一本の矢が突き立っていた。
副将の
「やりましたな、
部族長の一人が興奮を隠し切れぬ様子でヌルハチを称賛する。
しかしヌルハチは、緊張を緩めることなく告げた。
「何を言う。
たとえこの一戦で大勝利を収めても、
残る明軍も全て叩き潰し、
この時のヌルハチの心境は、
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杜松を射たのはヌルハチの十三男、という話もあるようなのですが、その子この当時まだ数えで八歳くらいなんですよね。
いくら幼い頃から弓馬に親しむ騎馬民族といえども、いくらなんでも……、ということで、誰が大将首を挙げたのかは曖昧にしておきました^^;
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