楽しく拝読しました。太陽の光にせよテレビの画面にせよ、やたらとギラギラ明るいものに対して拒否感のある読者は多いと思う。主人公もまた闇を愛し、深夜ラジオに耳を澄ます。田舎の夜は、暗い。情景描写からあふれ出る闇の香りにうっとりしながら、主人公と一緒にラジオに耳を傾けている気分になった。闇の表現が非常に、上手い。最後、受け取る側から届ける側に移るという収束は、表現によって誰かを救いたいという作者の思いが表れていた、と思う。
ラジオから聞こえてくる、軽快なやり取りに楽しいトーク。音声だけだからこそ、パーソナリティとリスナー達はラジオを通して一つの特別な空間を共有できるのかもしれません。一人になりたいけれど、誰かと…続きを読む
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