第54話 勇者のお話
〇〇月 ××日
俺の名前は野々垣 夏訪(かみる)
ちょっと特殊な名前だけど俺はこの名前をとても気に入っている。
ま、そんなことはどうでもいい。
そんな俺に最近面白いことが起こった。
異世界転移というやつだ。
俺はもともとこの世界の人間ではなく日本という別の世界の国から来た。
刺激はないが多くの友達と親友と、最機になっている子とも最近は仲良くなれてる気がする。
俺の中ではなんでもない日常が楽しく順風満帆だった。
だからこそクラス全員を転移された時は流石にビビったぜ。
王室のようなところにワープしたら突然王様らしいやつが
「我が国を助けてほしい」
とか言うんだぜ?
なんか魔王が世界を支配しようとしているから対策のために俺らを召喚したとかだったかな。
いきなりのことだったから細かく覚えてはないけどたしかそんなふうに言われた気がする。
全てが解決したら元の世界の元の時間に戻すっていう、何も見返りはないんだけどみんな乗り気だった。
刺激が欲しかったんだろうな。
その後は転生者特典という転生者にだけ与えられる物があり、それを測るとかなんとか。
固有特性と転生特性があり固有特性はその人専用特性で転生特性は保護状態ってやつで最初の一ヶ月は魔力攻撃を無効化するチート特性だった。
そして俺の固有特性は勇者の心得という戦闘に超絶特化してる特性。
つまり俺は主人公になったのだ。
そして最近は隊長に鍛えてもらったり、魔物と戦っている。
隊長は厳しいし魔物との戦闘はいつも死と隣り合わせだけど充実しているのが面白いところ。
ただやはり俺が主人公を良くないと思ってるやつがいる。
まあこうゆうのって運だからそれを恨むのかお門違いな気もするけど。
か「まあこんなもんでいいか」
俺は日記を書き上げるとベットに直行しすぐさま寝た。
この日記は転移したため、どうせならと思い日記を記した。
この日記...いや、勇者伝記が古代の遺産として、俺がこの世界の永遠の英雄として残してもらうために書いてるのもある。
?「おーい、そろそろ起きろよ」
か「やっぱり朝は弱いな」
俺は朝が弱いのでいつも親友に起こしてもらってる。
こいつの名前は柴崎 智也。
俺の幼稚園からの幼馴染で高校までずっと学校が同じだから必然的に親友になった。
と「まったくこんな異世界に来たのによくあんたはねぐっすり眠れるな」
か「ここなら早朝にわざわざ起きる必要ないからな。まあもちろん朝に起きる必要はあるけど、別に急ぐ理由もないからな。だからこその気の軽さで快眠なのだよ」
と「その精神力を分けてほしいぜ、まったく。とにかく朝ご飯できてるから行くぞ」
か「へいへーい」
俺は立ち上がり部屋を閉めて食堂へ向かった。
か「しかしなあこの世界飯がちょっとなあ」
と「あーわかるわ。美味しいっちゃ美味しいんだけど味付けが日本と全然違うしな。まあ海外旅行みたいな感覚でいればいいだろ」
か「海外旅行なら数日とかだけど、この場合海外移住となんら変わらんしな。それに言葉だって転移特典で話せているとは言え意味不明な言語を自分の口からすらすら言えるこのモヤモヤはいつになったら慣れるのやら」
と「...時間に任せよう」
そんなことを駄弁りながら廊下を歩いていると、
か「おっと」
?「...」
俺は曲がり角でぶつかってしまった。
か「すまん」
?「ちっ」
舌打ちをしたこいつは超絶 裏切(うちぎ)
目つきも悪ければ愛想も悪く、正直に言うと関わりづらいやつだ。
か「
う「...そうでしたね、ありがとうございます」
同じ道へ向かうため必然的に一緒に行く流れになった。
か「そういえば
う「...ぼくにはやるべきことがあるので」
か「なにすんの?」
う「...まあいいか(ボソ)。花を探しに行くんです」
か「へーこの世界で花をねえ。それ見つけたら今度見せてよ」
う「もちろんです。ま、すぐに見つかる物ではないのですけどね」
すぐにもちろんと言う裏切に少し困惑してしまった。
案外、根はいい奴で共感したいだけなのかもな。
と「ちょっとトイレ」
そう言いながら僕の手を引っ張りトイレに連れてこられた。
か「なんでわざわざ手を引っ張るんだ」
と「そりゃ
か「なんでだよ」
と「だってあいつ何考えてるかわからねえから怖いし、ずっと俺らのこと睨んでんじゃん」
か「元からあんなもんだろ」
と「いいや、絶対違うね。見とけよ。おそらくあいつが花を見せてくる時の花言葉はやばい意味が入ってるに決まってる」
か「そうかな〜?」
そんなことを言い合いながら食堂に入った。
か「ふう、今日も疲れたな。魔物に圧勝はできなかったが、勇者の心得を今日は新しく見つけれたから結果的に良かったな」
俺は大浴場から出て一人で自室に向かいながら今日あったことを振り返る。
と言っても毎日大体同じではある。
俺は自室の鍵を開けて中に入った。
か「さてさて今日は新しく心得を解放したし日記にでも記すか」
魔法で部屋のランプに火を付けた。
すると
ル「国が変わる瞬間が今着実に進んでいる」
ソファになぜか仮面をつけた女が座っていた。
シ「その国がどのように変わるかは誰にもわからない。良くなるのか、悪くなるのか」
窓の近くに立ち、外の月を見ている男がいた。
俺は今ただただ緊迫感に迫られていた。
暗躍する魔王様 魔王さん @kurosiro_neko25
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