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概要
写真の中の君にもう一度会いたい
【抜粋】
我が家は代々、この港街で写真館を営んでいる。
奇跡的に戦争や災害で倒れることなく、令和の時代まで生き残った我が写真館は、私で四代目だ。昨今はオシャレなSNS映えスポットとして、観光客が店頭で自撮りをする場所に成り果てて、最早店内セットで写真を撮影しようなどという客もいない。
「別に無理に継がなくてもいいんだぞ。少子化だしな。なんならカフェにでも改装したらどうだ?」
と、父は自分の代で店を畳む覚悟をしていた。
しかし、私は店を継いだ。
――ある人を待っているから。
私は高校時代、父の手伝いで記念撮影に頻繁に立ち会っていた。子どもの頃から父の背中を見て育ち、自然と写真への愛情も醸成されていったため、このまま父と一緒にこの仕事をやっていくのだろう、と漠然と思っていた。
我が家は代々、この港街で写真館を営んでいる。
奇跡的に戦争や災害で倒れることなく、令和の時代まで生き残った我が写真館は、私で四代目だ。昨今はオシャレなSNS映えスポットとして、観光客が店頭で自撮りをする場所に成り果てて、最早店内セットで写真を撮影しようなどという客もいない。
「別に無理に継がなくてもいいんだぞ。少子化だしな。なんならカフェにでも改装したらどうだ?」
と、父は自分の代で店を畳む覚悟をしていた。
しかし、私は店を継いだ。
――ある人を待っているから。
私は高校時代、父の手伝いで記念撮影に頻繁に立ち会っていた。子どもの頃から父の背中を見て育ち、自然と写真への愛情も醸成されていったため、このまま父と一緒にこの仕事をやっていくのだろう、と漠然と思っていた。
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