美少女姉妹との秘密の関係は甘い甘い蜜の味
片銀太郎
第1話
「どうですか先輩、お姉ちゃんはこんなコトしてくれませんよ……?」
耳元でささやく声、その甘い響きは脳の髄をとろかすよう。
言葉を終えると共に、耳が暖かなものに包まれた。
背筋がびくりと震えた。
聴覚の刺激と触覚の刺激。ささやきと共に耳が甘噛みされたのだとわかる。弾力のある唇が耳朶をはさみこみ、舌先がちろちろとねぶる。弄ぶような動きなのにどこまでも蠱惑的、耳を通して脳をいじられているような気がしてくる。
思わず声をあげた。
「やめてくれ、
「えー、私もお姉ちゃんも
今度はわずかに歯を立てた。犬歯の先が、ちくりと耳に食い込む。傷がつかない程度のかすかな痛み、続けて送り込まれた舌先が噛んだ箇所を舐め、痛みを甘い痺れに塗り替えた。頭の奥も甘く痺れて、何も考えられなくなってくる。
このままではダメになってしまう。
本能と理性のはざまで彼女の名前を呼んだ。
「やめてくれ、
名前を呼ばれた彼女は満足そうに耳から離れる。
唾液の糸が一瞬引いて、途切れて消えた。
彼女の名前は、
かつての思い人、
どうしてこんなことになってしまったのか。
同い年の
押され、崩され、籠絡され、姉の
「ここはお姉ちゃんの部屋でお姉ちゃんのベッドの上、先輩は、誰と、どんなことがしたいですか?」
「見てください、先輩。お姉ちゃんと同じ髪型ですよ。この髪型好きでしたよね?」
「この服もお姉ちゃんの服ですよ。ふふっ、私にはちょっとキツいですけどね……」
そう言って
もう我慢の限界だった。
「
膝の上の少女を抱きしめようとすると、少女は手でこちらの動きを遮った。
「ダメですよ、先輩。ちゃんと言ってください。先輩は、お姉ちゃんの部屋で、お姉ちゃんのベッドの上で、誰を抱きしめようとしているんですか?」
これは契約だ。
「好きだ、
今度は
ベッドに倒れ込み、絡みあおうとする。
その時、冷たい声が響いた。
「二人とも……何をしているの……!?」
それから数分後、
目の前にはぷんすか怒る
「だから何度も言ってるでしょ! 私の部屋を略奪風プレイの場所にしないで! どんな気持ちでこの部屋で寝ればいいのよ! そもそも略奪じゃないし、二人が出会ったらすぐに意気投合して付き合っちゃったくせに!!」
「うん、お付き合いをしたのは私だけど、先輩が最初お姉ちゃんのことを好きだったのが悔しいから『今は、私の方が好き』って、ことあるたびに言わせるようにしてたら、なんかクセになっちゃって……つい……」
「つい、じゃないわよ! それに、また私の服勝手に着てる! 伸びちゃってるじゃない! 買い替えてもらうからね!」
「ごめんなさい! 先輩と一緒に買いに行きますので平に御容赦を! あと私の新しい服も買ってもらいます!」
「ちょっと待て、なに勝手に決めて」
「先輩も楽しんだんだから同罪です! はい! ごめんなさい!」
その小悪魔のような微笑みに毒気を抜かれて従ってしまう。
二人並んで土下座しながら、今までのことを思う。
まぁ、色々あったが最終的に言えることは、
この姉妹には勝てる気がしない、そういうことだ。
(終)
美少女姉妹との秘密の関係は甘い甘い蜜の味 片銀太郎 @akio44
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