第4話 ラストストーリーに納得いかない
テストは何とか終えた。
アヤカが「ミキ、テストどうだった?」
「勉強してないし、あーって感じ。でも終わったし、いいや。次、次にがんばろー」
「そうだね。私もイマイチ。それに一つかなり難しいのあったよね。あの数学の問題、絶対、高校で習うやつだよね。そんなの出すのずるくない。受験直後の学力テストですって先生、嘘ばっぱり。」
私もそう思った。「アヤカ、だよねー。先生、ひどい。ははは。笑うしかないか。」
「ミキ、そういえば源三にと何話していたの?ほんと源三が自分から話すの珍しいから。」
ブタになりたくなくなんてアヤカにいえない。ましてはあちらの世界のことも。
でもアヤカの彼氏は源三のお兄様ってことはアヤカも、もしかして知っていたりして。そうだ。まずは
「ねえアヤカ、彼氏の写真みたいな。見せてくれる?」
「え~どうしようかな~。」
「頼みます。アヤカのイケメン彼氏見せてください。のろけでもいいから~。」
「しょうがないなあ~。のろけなんて。ミキやっぱ頼み方が天然だよ~。
じゃあ、ちょっとだけね。」
アヤカは携帯の写真を見せてくれた。「やっぱり。あの人だ。あっちの世界であった。」
「えっ?ミキ今、なんて言ったの?」
たぶん、アヤカはあっちの世界のことを知らない。
少し大きな声で「やっぱり。イケメン!って言ったの。」
アヤカは嬉しそうに「そうでしょう。そうでしょう。」と、のろける。
なぜか私もつられて顔がとける。
チャイムが鳴る。私達は席に着いた。授業が始まる。廊下向かいの校舎。
源三の姿が見えた。”源三だ。”えっ?顔がブタ?目をこすり、もう一度。
人の顔。源三だ。良かった。私は目で源三を追った。ビリビリ源三の周りの空間に歪みが。えっ?顔がブタ。戻らない。そのままで歩いていくと前からくる生徒に見られる。助けなきゃ。バタン。椅子をひき「先生、トイレ。」私は猛ダッシュで源三のいる向かいの校舎に走った。
「源三!」大声で呼ぶ。源三、ブタの顔の源三が振り向く。
「源三、どうしたの顔がブタよ。なぜブタになったの?それに誰かに見られたら大変よ。」
「源三は仕方ないな。」少しめんどくさそうに「ミキ、大丈夫だ。こっちの世界で、このブタの顔は誰にも見えない。見てて。」
前から生徒が...すれ違う。反応なし。「ほらね。見えるのはあっちの世界の住人だけさ。」
「でも、どうして源三がブタに?」
「バレたんだ。鍵を失くしたの。それに・・・まあ、いいよ。1か月もすれば元の顔にもどるからさ。」
「ほんとに、大丈夫?」
「大丈夫だ。ミキ何度も言うようだけどカラスには気をつけろ。紛れているんだ。あっちらの世界の監視カラスがね。」
「よく、分かんないけど。わかった。」
源三が?「ミキ、答えが謎過ぎる。天然は理解に苦しむよ。」
「ありがとう。」「褒めてないぞ。」
窓ガラス「コンコン」見ると源二さん。源三のお兄様がいた。
「源二さん、どうしたんですか?アヤカは教室ですよ。授業中ですよ。あっしまった私も授業中だったっけ?」
源二さんもあきれ顔で「やっぱり君は天然ちゃんだね。だからアヤカと仲良くなれたんだね。彼女、あー見えて面倒見がいいんだよ。これからも仲良くしてくれると、うれしいな。」
「もちろんです。アヤカは大好きな友達です。」
「そう。ありがとう。で、本題。ミキちゃん、なんで源三がブタさんになったでしょうか?」
「鍵を失くしたのがバレたから?違うんですか?」
「半分はあたっているよ。鍵を失くしてそのあと追及されたんだ。その鍵が誰かによって盗まれたこと。賢いカラスが見てたんだ。でも後ろ姿だけでミキちゃんとは断定出来なかった。それで追及が源三に強くおよんで。でも源三は、なぜかミキちゃんのこと一言も言わなかったんだ。それで鍵を失くした源三の責任のみで、今の姿に。かばったんだよね。ねえ源三。なぜだと思うミキちゃん?」
「源二!それ以上言うな。」源三のブタの顔が赤くなる。
「でね。ミキちゃん、これからもこっちの世界とあっちの世界を行き来したくない?」
「したいです。」
「はい。じゃあ、決まり。ミキちゃん。”ポン”。ミキちゃんもちゃんと罰を受けようね。」
なんだか顔が重い。廊下のガラスを見る「えっー!!顔だブタだ。」
「ミキちゃん、大丈夫。たった1か月だよ。じゃあねー。」
そう言って源二さんはカラスに変身して飛び去っていく。
源三が「これからもヨロシク。ミキ。」
「えっー。ブタさんで1か月も。こんなラストストーリー納得いかないよー。」
天然系女子高生と賢者の鍵 京極 道真 @mmmmm11111
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