マーダーミステリー制作時のチェックリスト

 もくはずしがシナリオを見る際の基準です。拙作がすべてこれに適っているわけではありません。

 以下の内容は順不同でもよいですが、なるべく近しい位置関係にあるほうが好ましいでしょう。

 不要な項目は各自の判断で外して構いません。ご自身でその理由を説明できない場合は、設計思想に立ち戻るほうがよいかもしれません。



1. 導入資料

・タイトルの記載

・GMが必要かどうかの記載

・プレイ人数の記載

・プレイ時間の記載

・すべての文章は、そのまま読み上げた時に、GMのPLに対する口頭説明として成り立つものですか?

・GMレスの場合、事前に必要な準備すべき事物は記載されていますか?

・GMレスの場合、進行役が読み上げるべき文章を指定してありますか?

・GMレスの場合、すべてのページにおいて、何の条件を経たら次のページに進んでよいか、ページ終わりに記載されていますか?

・GMレスの場合、ゲーム不能になるような致命的な文章が導入資料に同梱されていませんか?

・GMレスの場合、進行役の決め方は記載されていますか?

・GMレスの場合、見てはならない資料・コンポーネントの記載はありますか?


〇トレーラーについて

・導入時に必要な情報はすべて記載されていますか?

 →世界設定、用語、推理に必要なコンテンツに対する説明(例えば夜の犯行目撃。文化レベル的に夜はどんな視界かによって確度や信頼度が変化。LEDライト? 松明? 月明り?)

・事件について、興味を引く要素や演出がありますか?

・難しい字にルビは振ってありますか? もしくは簡易な字に開いていますか?

・音読してみて、句点が適切なところにありますか?

・推理上必要な、もしくは必要そうだとPLが思いそうな情報があるのであれば、

HOにもこれを載せていますか?


〇マーダーミステリーについて

・本作がマーダーミステリーであることを記載してありますか?

・初心者がいたとき、マーダーミステリーについて説明できる文章を載せていますか?

・マーダーミステリーとは何か、本作はどのような定義のマーダーミステリーに則ったものであるという記載はありますか?


〇前提ルールについて

・PLとしてゲームに臨む目的(修養、試合、娯楽など)は記載されていますか?

・RPについての説明、どの程度行うかを推奨する文章はありますか?

・議論中つける嘘の可否についての説明はありますか?

・ゲーム終了後の感想・ネタバレについての記述はありますか?

・その他、システム上必要なことでゲーム内の区切りを問わず、プレイ時間すべてに共通するルールはありますか?

・GMレスの場合、トラブルや不明点は進行役の判断の下に解決する旨を記載していますか?



〇ゲーム内の時間区分別のルールについて

・ゲーム内の時間区分について、各フェイズ毎にかかる想定の時間は記載されていますか

・各フェイズについて、タイトルとは別に行うべきことがわかりやすく記載されていますか?(情報取得、議論、投票など)

・各フェイズで行えることをすべて記載できていますか?

・間違いやすそうなルールを強調できていますか?(フェイズごとにカードの扱いが違う、カードの種類ごとに行えるアクションが違うなど)

・ゲーム進行していくうえで、最終到達点が想像できるように記載されていますか?

 →たとえば、このゲームはトレーラーに出てきた死体の殺人犯を投票で多数にすることだ、など。真の、もしくは表面上の目的。

・最終到達点を意図的に隠す場合、PLの議論の方向を指定する他の要素はありますか?


〇議論ルールについて

・すべての議論フェイズについて、時間は設定されていますか?

・すべての議論フェイズについて、密談の可否とその方法は提示されていますか?

・すべての議論フェイズについて、取得した情報とその公開方法は提示されていますか?

・すべての議論フェイズについて、取得したコンポーネントの扱い方は提示されていますか?


〇投票フェイズについて

・投票フェイズ時、何の議題について投票を行うかが明確に記載されていますか?

・上記を記載しない場合、議論フェイズになにを話すかわかるようゲームが設計されていますか?

・投票の方法は記載されていますか?

・投票の結果、決着がつかなかった場合のルールは記載されていますか?

・エンディングがどのように提示されるか記載されていますか?

・投票以外の意思決定フェイズを行う場合、それについての説明が記載・後述されていますか?


〇PC紹介について

・全体公開するのに適切な情報が記載されていますか? 

・RPの想像をするうえで必要そうな情報を、議論に支障ない程度出せていますか?

 →年齢や外見、職業、しゃべり方、性格など。指定しすぎるとRPの幅は狭まるが、どこまでを区切りとしているかを、きちんと信念を持って言えますか?

・読みが難しい・複数あり得る字にルビは振ってありますか?

・明らかにこのキャラは捨てキャラだな、と思えるような説明文や内容になっているキャラはいませんか?そのキャラがいなくても成立するゲームになっていませんか?

・PC決めについての方針は記載されていますか?




2.ハンドアウト

・ページの構成は、読むべき順番になっていますか?

・難しい字にルビは振ってありますか?もしくは簡易な字に開いていますか?

・説明文に、議論とRPをするうえで必要な情報はすべて記載されていますか?

・説明文に、議論とRPをするうえで不要な情報を記載していませんか?

・説明文は全PCで同程度の文量ですか?

・情報を説明するうえで、必要な前提知識は記載されていますか?

 →世界設定、用語、推理に必要なコンテンツに対する説明(例えば夜の犯行目撃。文化レベル的に夜はどんな視界かによって確度や信頼度が変化。LEDライト? 松明? 月明り?)

・そのPCが目指す議論の形が記載されていますか?

 →目標や勝利条件など。

・投票以外の意思決定フェイズを行う場合、最終的にPCがどんな行動を行うべきか、またはどんな目的を達成すればよいかが、議題に絡めてわかるようになっていますか?

・ゲーム進行や議論をするうえで必要であればトレーラー・読み合わせ資料・他PCの説明文は記載されていますか?

・ゲーム不能になるような致命的な文章が導入資料に同梱されていませんか? 追加ハンド アウトはなるべく別資料にわけましょう。




3.各種コンポーネント

〇カード

・カード裏面に必要な情報は記載されていますか?

 →どこから得た?誰の? アイテム?情報? 条件付き取得? 

・カード表面を見ているとき、裏面に記載されている要素がわかるようになっていますか?

・初期配置してはならないカード群は、そうと分かるように梱包されていますか?

・カード表面の文章が特殊ルールを持つ場合、それを行使する際全プレイヤーが納得できるように設計されていますか?


・カードが情報の場合、RPでどうやって取得したかわかる設定はありますか?

 →情報カードはすべて聞き込みである、カード毎に記載があるなどの理由付けがあるほうが好ましいでしょう。

・カードデザインは、文章を読みづらくしていませんか? 文字の大きさは足りていますか?


〇追加HO・資料

・初期配置してはならないHO・資料群は、そうと分かるように梱包されていますか?

・追加HOは全員分ありますか? ない場合、追加HOを配られないPLが読み込みの時間に行うべきことを作ってることが好ましいでしょう。

・追加HOの書式は初期配布のHOに倣っていますか?

・追加HOでPCの目的意識が変わる場合、それを目標や勝利条件に反映させていますか?

・追加HOを読むのに必要な情報が、前提となる議論で必ず出るよう設計されていますか?

・追加資料は必要なPL全員に配布できるようになっていますか?

・追加資料が読み合わせの場合、その前段階のフェイズでPCが行っていたであろう行動とリンクしていますか?


〇エンディング資料

・難しい字にルビは振ってありますか? もしくは簡易な字に開いていますか?

・投票で起こり得るすべてのパターンについて網羅するように、エンディングが存在しますか?

・読み合わせなのか、GM・進行役が読み上げるのか、全員それぞれ黙読なのかを記載していますか?

・ゲーム内容の解説は、全PLが納得できるものとして記述されていますか?

・想定正着ルートだけでなく、取りうる他ルートについても記載がされていますか?

・参考資料・パロディ元がある場合、それらは記載されていますか?




4.ゲーム設計

・本当にマーダーミステリーという媒体で行うべき内容ですか?

 →ストーリーをなぞることが重要であれば小説、キャラクターへの没入度で言えばTRPGや声劇などの別分野のほうが得意かもしれません。

・RP、議論から投票の体験がおもしろいように設計されていますか? 他要素のために制作していませんか?

・不用意に目標の重みづけに点数を用いていませんか?

・売上などの他条件に基づいてしまって、プレイ時間や人数がゲーム内容から逸脱していま せんか?

・議論の導線は用意されていますか? 議論時間にやるべきことが無いという状況に陥りませんか?

・密談について、任意の組み合わせやすべての組み合わせで行うフェイズが存在する場合、すべての組み合わせの密談について話すべきことはありますか? 無い場合、すべての、もしくは一部の密談フェイズは減らせませんか?

・犯人がPL内に存在する場合、何か一つの情報が出たり、複数の情報を組み合わせると容易に一意に犯人が定まってしまうような情報を仕組んでいませんか?

・なんらかの条件で犯人が特定できる場合、犯人に逃げ道があったことを解説できていますか?

・すべての情報が出そろっても一意に犯人を特定できない場合、犯人特定を行う陣営がどのような行動をすれば成功率が上がったのかを解説できていますか?

・犯人がPL内に存在せず、かつ謎解きの要素がない場合、トレーラーやHOなどで各PLが協力ゲームであると悟ってしまうような要素、もしくはその警戒を解いてしまうような記述はありませんか?

・推理に必要なすべての情報が、どこからか出てくるようになっていますか?

・推理に必要な情報に誤り・計算ミスはありませんか?

・現実世界がモチーフのシナリオではない場合、出てくる情報・能力・状況すべての理屈は合ってますか?

・現実世界がモチーフのシナリオではなく、嘘をつくことが可能な場合、突飛な能力やNPCの存在を宣言されたら崩壊するゲームになっていませんか? 

・GMレスの場合、第三者視点がないと証明できない勝利条件を設定していませんか?

・アクションフェイズのような意思決定手段の代理手段を採用する場合、結果が一意に定まるように設計されていますか? 処理の順番や方法によって結果が異なることはありませんか?

・アクションフェイズのような意思決定手段の代理手段を採用する場合、エンディング分岐はすべての結果を網羅していますか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マーダーミステリーの作り方 もくはずし @mokuhazushi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ