閉幕
「しかし、異様な光景ですよねー」
念願の捜査一課に配属された新人刑事の
「マネキンと心中したんですかね?」
内海は、好奇の眼差しをベッドに向けながら言った。
「仏さんの前で、軽はずみな言葉を言うんじゃねえっ!」
中島の、ドスの効いた声に気圧された内海は、叱られた子犬のようにこうべを垂れた。
と、その時、
北側の大窓から吹き込んできた風で、床の上に無造作に置かれていたバレエに関する書籍の頁がパラパラと捲れ、書籍の間に挟まっていた変色した新聞紙の切り抜きがふわりと舞い上がった。 切り抜きの内容は以下の通りだった。
***
イギリス××地方で、日本人留学生の
***
新聞に掲載されていた天羽エリカという美少女の顔写真と、男が愛おしそうに抱きしめているマネキンは酷似していた。男の亡骸から放出されている狂気に満ちた執念の愛に、中島刑事は、思わず、身震いをした。
了
エリカ 喜島 塔 @sadaharu1031
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