いやしの物語

主人公・静の暮らす島は温暖化の影響で近い将来沈んでしまう。
一方、静はうつが再発しかねないため島を出られない。
静はそんなジレンマを抱えている。

ある日、元カノの遊が静の島をたずねる。
マリッジブルーを抱えた遊は明らかにセックスを求めている。
静は拒否するのだがかすかな期待を持ち続ける。

結局のところ、静は手を出さなかった。
そして、島とともに死ぬことを選択する。


おそらく遊は「島の外」のメタファーだろう。
遊の来訪により、静は実存の置き場所を「島」か「島以外」にするかで揺れ動くのだ。
そして遊が去った後、静は「島」のメタファーであることを宣言する。

島に残ることを選択した静は自由を感じる。
やがて来る「死」を受け入れた時、人は自由になるということだ。
そして、静はジレンマそのものからも自由になったはずである。

本作は、主人公がジレンマを乗り越える癒やしの物語なのだ。