第五十八話 早々な前進

「それじゃ、またいつか。」


『そろそろ行くのか。気を付けなされ。』


「智一殿、またいつか会える事を。」


「(コクリ。)...」




遺跡の者達が手を振る。それに応えるように手を振る。




「「「「それではまた!」」」」



目の前は眩しく輝き光に包まれる。

気がつくと遺跡の入り口に立っていた。


...進みますか。


久々に感じる空を眺める。

空を鳥のような何かが羽ばたいている。

鳥...なのか?


よくよく見ると鳥の形に折られた紙だった。




「これは伝書紙鳥?」


「知っているのか?」


「はい。中級魔道具で宛先まで必ず届けてくれて音声付で伝えてくれるものです。最低でも五回分なので相場で銀貨三十枚ですかね。」




使い捨て商品なのにそこそこ高いな。それでもこの世界では画期的な商品なんだろう。


そう考えていると伝書紙鳥が降りてきて俺の肩に乗った。




「俺?誰からだろう。」




手紙が開いた。




「久しいな。淳也君・智一君・エル君・ミナ君・ユンタ君。私、コロブスのギルドマスターのシュバリゼッテだ。」




懐かしい。俺が異世界樹バックルームツリーについての調査に協力してくれているクールなギルマス。


ルークが どうして自分の事が入っていないの?という顔をして首を傾げている。仕方がない、当時ルークがまだいなかった頃に会っていた人だから。




「私たちにギルマスから連絡が来たってことは…」


「察しがついていると思うが、君らに異世界樹バックルームツリーについての情報が手に入ったのでここに記した。


他の信用できるハンターやギルマスに頼んで異世界樹バックルームツリーについて調べてもらった結果、不確かだが関連する情報を得ることができた。」




いくつかユグドラシルの教えてくれた情報とかぶるものもあったが重要な情報もあった。




「君の使っていたマイナス粒子に似た存在が過去、異世界樹バックルームツリーから発生していることが分かった。」


「マジか!」


「ギルマスやるぅ。」




その粒子が周囲の魔物や魔力を持つ人々に害をもたらして弱体化させていたらしい。


自身の持つものと近しいもので間違いなさそうだ。


他にも大樹大陸に属する大樹国 アルデバランが神樹を崇拝していることも分かった。


俺はこの手紙に今回までの異世界樹バックルームツリーに関する物事えお書き留めてギルマスの所へ飛ばした。


俺の情報関連調査メディアネットワークも更新されて目に見える形で載っている。


これで少しは捗る。




「用も済んだし、いざ大空港 エアタウンへ。」


「「「レッツゴー!!(ワオオォッ!)(ガウウウゥッ!」」」」

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自ら選んだ暗殺道の暗殺者、異世界へ旅に出ます。 竜乃 愛者 @kakunove2011yomu

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