あっ、ヤバい。
Asahi-Yuhi
命の線
──どっちかが正解。
俺は、どっちを切ればいい?
はぁ、なんでこんなことになったんだ?
──
ーー
俺は、いつも通りに出勤して、スパイ任務をこなしていた。
今日は、この会社にあるシステムを見に来ていた。
ここのシステムが他会社のものを悪用しているだとか。
とりあえず、これのコピーを取ればいいらしい。
俺が、システムもコピーを取れたと思ったとき、ブザーが響いた。
──ブー
その音の方向に向かうと爆弾があった。
急いで部屋を出ようと思うと、ドアが閉まっていた。
爆弾に設置されたタイマーには“
ドアの鍵を俺が開けるとしたら、最低でも四十秒はかかる。
なら、爆弾の解除の方が可能性がある。
俺は忍ばせておいたナイフで慎重に線を切っていく。
このスピードで行けば後十秒で終わる。
そんなことを思ってタイマーを見ると、
よし、これなら行ける。
は?
最後の一本がどっちかわからない。
ドラマで見るような赤と青の二択ではなく、同じ黒の線が二つ。
恐らく、どちらかを切れば爆発しないだろう。
──
どっちを切ればいいんだ。
俺が生き残らないと、俺がスパイだと言うことが世間に広まり、仲間に迷惑がかかる。
分かっていても、どっちが正解か分からない。
──
仕方がない、いっそのこと両方切ろう。
そう決意を固めて、俺は握る手に力を込める。
──
──パチンッ
そんな効果音と共に、爆弾は解除された。
手の方にえ目を向けると、片方の線しか切れていなかった。
俺は、安心して、疲れがドッと出る。
そして、一言呟いた。
「俺の運良くて良かった~。これぞ、危機一髪だな」
あっ、ヤバい。 Asahi-Yuhi @asahi_yuhi
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