ふろむ くれいどる

愛須どらい

はじまり

 べチャべチャッ!


 ゆりかごにいたはずのボクたちは、

いきなりおいだされた。


 ここは、ダンジョンというやつだろうか。


 そこらじゅうからドクンドクンと

ドロドロしたものが、わきだしている。


 ふれたところが、やけるようにイタイ。


 どくだ。


 ボクたちは、ちりぢりになった。


 あるものは、はねるように。


 あるものは、ころがるように。


 あともどりは、できない。


 しにたくない。


 いきたい。


 ほんのうが、さけんでいる。


 せまいみちをぬけたボクたちのまえに、

ひろいエリアがひろがる。


 みちが2つにわかれているようだ。


 みんな、われさきに、

それぞれのみちにむらがった。


 ゆりかごにいたときは、なかまだったのに。


 いまのボクたちは、

せいしをかけた、たたかいをしているのだ。


 なかまだったみんなを、

ふみだいにするようにボクはすすむ。


 おおきなおおきなボールがみえた。


「(きれいだ…。)」


 ボクはおおきく、とびあがり

そのおおきなおおきなボールにペタリとふれた。


 なんだかあたたかい。


 もう、どくのいたみもかんじない。


 ズブズブとボールにしずみながら、ボクは


「(かった…!)」

とおもった。


 おめでとう。


 だれかが、こたえたきがする。


 でも、ここからが、はじまりなのよ。


 

 


 


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