天才科学者が生み出した超高性能アンドロイド(超イケメン)。
二人は信頼し合い、蜜月の日々を過ごすが、ある日科学者がトラブルに巻き込まれ、アンドロイドに危機が訪れる。
…とまあ、要約すればこれだけの短いエピソードなんだけど、人間と同様の身体があって会話ができるアンドロイドを「ひとりの人格」と見るか「単なるプログラム」と見るか、その核心が浮き彫りになります。
物語はハラハラしながらもハッピーエンドになりますが、それでも、やっぱりアンドロイドは人間ではないわけで、うーん、さらに考えさせられるぅ~~…!!
ラブとSFの要点がぎゅっと詰まった秀作です!!!
評者は本作を読み終えた後で、題名「恋情と呼ぶには…」に続く言葉に何を選ぶか、少しよくない意味で考え込みました。
キャッチコピーは人間とAIの恋。しかし読み終えて思います。あの感情を恋と呼んでよいのか。
あまりに影が深く、あまりに激しく、あまりに不器用な、あの感情は、相手がAIなのか生身の人間なのかはさておき、恋と呼んでいいのか。
しかし思い直せば恋はこういうものなのかもしれません。恋にテンプレなど無く、何が正解なのか分からないまま突き進んでいくのが、もしかしたら純粋な恋なのかもしれません。
そんな感情を描いた本作を読み終えた読者は試されます。題名「恋情と呼ぶには…」に続く言葉に何を選ぶかを。評者には正解は分かりません。登場人物達も自分のことが分からなかった、その戸惑いを百分の一だけ我が身に。
天才AI技術者ノアと、彼が作った最高峰アンドロイドのリアムのお話。
このお話は、ただアンドロイドが凄いって言う話じゃありません。
この二人の間には、強い絆……いいえ、愛と言えるものがあります。
そして、ただアンドロイドが壊れて愛が失われるとか言う単純な話でもありません。
そこには、リアムが犯す『禁忌』が盛り込まれています。
それは読んでみてのお楽しみなのですが……。
いやね、後半はもう目から熱いものが流れましたよ。
「ええ、それってリアム悪くないじゃん!?」
って思うんですよ。でもね、禁忌は禁忌なんですよ。
ふたりの間に流れる愛もね、並々ならぬものがありますよ、えぇ。
近い未来、人類はこんな風にアンドロイドと恋をするのでしょうか?
アニメキャラに恋をする時代です。肉体のあるアンドロイドと恋をする事はきっとあります。
その時、私たちはどこへ向かうのでしょうか。
そして、アンドロイドと人間の大きな違いは何なのでしょうか。
さらには、AIの愛は人間の知識をも凌駕する事が出来るのでしょうか?
とてもオススメです。沢山の人に読んで頂きたいです。