(いみエモ話)うたがいすぎて、悪魔がやってきた。「お前にこれをやろう」…本物?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 こんな銃を手に入れたら、どうしますか?ミステリーじゃないようなミステリー、はじまりました。信じる心は、本当に、救われるのか?

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

   ☆

 くる…。

 きっと、くる。

 「きた、きた」

 「きたぞ、バブルさんだ」

 「何もしないのに、楽勝世代の部長様」

 うわさされているのは、悪魔のように、強くうたがう心を持つ男。

 「若いやつらには、うたがうよなあ。どうして、良い時期を待つ忍耐力がないんだよ。人生、苦しいことの後には、楽しいことがあるのに」

 言うねえ。

 「人生、苦しいことの後には、苦しいことしかない」

 そう感じている人の気持ちなんか、わからないんだろう。

 だから、バブル世代はきらわれる。

 そんな部長の前に、悪魔が現れた。

 「よう、うたがう人間!俺を呼んだか?」

 昔話などで見たり聞いたりするような、二股に分かれたヤリのようなものを手にしたやつ。全身は黒く、しっぽも、生えていた。

 「バブルなお前に、これをやろう」

 「けん銃…?にしては、軽すぎだな。どうせ、にせものだろう?」

 「うたがうのかよ、バブルさん?」

 「…」

 「ひひ…。うたがってばかりのお前には、気に入らないやつも多いんだろう?」

 「まあな」

 「だったら、それを使って、お前の気にいらないやつを殺してしまえ」

 「…な!」

 ここで、部長の気持ちがふっ切れた。

 「俺の気にいらないやつは、お前だ!俺たち、勝ち組バブルをバカにするようなことを言うな!」

 部長が、悪魔に向けて、手にしたけん銃の引き金を引く!

 すると!

ちゅうう…。

 「何だよ、これは!」

 「水鉄砲らしいな」

 「おい!」

 「泣かされても生きていく若い世代のことをうたがうようなバカなバブルは、この通りっていうことだよ」

 「何だと!」

 「ひひ…。これは、特別な力をもった銃でねえ」

 「ウソをつけ」

 「また、うたがうのか?」

 悪魔が、どこかに飛び去っていく。

 「今は、弾が入っていないだけだ。じゃあな、バブルさん?」

 「…何?」

 部長は、恋人の家に電話を入れた。

 「よう」

 「あら、久しぶり。…奥さんは?」

 「今、出張中さ」

 「そう。良かった」

 「俺のところに、悪魔がやってきたぞ」

 「ウソだあ」

 「うたがうねえ」

 「あなたのクセが、うつったのよ」

 「ふん」

 「それで?」

 「悪魔に、弾の入っていないけん銃をもらった。見せてやろう」

 恋人に会いに、外出。

 会うとすぐに、恋人の身体全体に、もやがかかりはじめた。

 あの悪魔が、出現。

 「あ、何をする!」

 悪魔は、一旦渡したけん銃を彼からひったくり、その銃身に、サイレンサーを取り付けはじめた。

 「ひひ…。弾が、出現したようだ」

 「何?」

 悪魔が、銃の引き金を引く。

 …シュッ。

 「ぐえっ!」

 血を流して倒れ込む、部長。

 悪魔は、けん銃を床に放り投げ、消えた。 が、部長の息は、かろうじてあり。

 数十分後。

 ガチャ…。

 「あれ、きていたの?家の鍵かけるのを忘れて、コンビニにいってた!…って、そんなところで、寝ていないでよ」

 本物の恋人が、玄関を開けて入ってきたのだ。

 「きゃ!…ここに転がっているのが、電話で言っていた、銃?本当に、弾は、入っていないんだよね?」

そのうたがいは、恋人自身によって、見事に晴らされることになる。


  (この話の意味)

 うたがう、恋人。

 「どうせ、弾は入っていないんでしょ?」

 このとき、弾が出現。

 それは、うたがう心に反応して弾を出現させるという銃だった。

 「この銃は、特別な力をもった物」

 悪魔が、言っていた通り。

 「私も、いたずらしまーす!えいっ!」

 その後、 1人のバブル男の死体が、発見されました。 

エモいなあ。





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