概要
「好き」と言えず転校してしまった彼女が、コンビニでレジをしていた。
降りしきる雪の中、大忙しだった仕事を終え帰宅する平凡な会社員の湊人。
「ココアでも飲むか」
寒さにやられて、中学時代の帰り道に好きだった初恋の相手とよく飲んだものを思い出して近くのコンビニへ。
ほっとドリンクコーナーを眺めて、120円と書かれたホットココアを手にレジへ向かう。
一つは空いていて、一つは客一人。
前者へ歩き出す湊人。
「いらっしゃいませ。こちら、120円になります」
声でハッとした。
どこかで聞き覚えがある声で、俺は電子決済のスマホ画面を止める。
恐る恐る顔をあげると、そこには――――
—―――初恋だった”彼女”がいた。
こちらはカクヨムコン9短編賞に応募する短編作品です!