あとがき


 どうも、沖田ねてるです。ここまで拙作『薔薇百合トランスフォーメーション』を読んでいただき、ありがとうございました。せっかくですので、この物語の裏話でも。

 こちらの作品、実は昨年の4月に書き終えたものでして、前回の『二人ぼっちの即興劇(エチュード)』よりも前に書いた作品になります。こちらはネット公開ができないタイプの公募に出してましたので、アップロードしてませんでした。


 最初に出した公募(電撃)では見事に玉砕(一次選考落ち)し、次に出したファンタジア文庫大賞では一次選考を通過。


「今度こそ行けェェェ……ッ!」


 と思っていましたが、こちらも二次選考落ち。


「駄目かもしれん。一回ネットに上げて、反応みてみよう」


 と思い立って、年明けから連載を開始したものでした。いつまでも抱えててももったいないしね。


 転移・転生ではないハイファンタジー作品は、私としては初めてでした。張り切った結果、世界観から異能力、街の描写からTS、人間関係と色々考え、評価シートで「要素を詰め込み過ぎて軸がブレてる。削ってみてはどうか」と言われた今作。馬鹿が考えなしにビュッフェで取ってきた皿みたく、テンコ盛りになった物語となりました。

 加えて情報の出し方や関連性の見せ方についても言及があり、自分としては色々と勉強になった作品となりました。ちなみに物語では全く言及していませんが、ハイファンタジーにしたということで世界の成り立ちから歴史、能力の詳細から寄生害虫(ニーズヘック)の正体、今後どうなっていくかまで全部決めておりました。が、それを書いたらビュッフェが全部マシマシ次郎系ラーメンになりそうだったので、流石に書きませんでした。


 あと能力様式に花を使ったのも、初めての試み。花びらごとに統一的な力があり、それを組み合わせて瞳に華を咲かせ、固有能力を発動させるというのは割と気に入っている設定です。

 元ネタはXで見た瞳にひまわりの絵が描いてある女の子のイラストと、とあるゲームの能力様式をねるねるね~るねしたものです。こういうの考える時が一番楽しいんだ、これが。


 ここからは各キャラクターについて。まずは主人公として据えたカナメ。六十歳ジジイが十歳のロリになって、元に戻ろうと奮闘する中で世の中の情勢や弟子との確執、そして女神の(個人的な)陰謀に巻き込まれていくという、こちらもモリモリにした主人公。

 久しぶりの変態キャラということで張り切り過ぎた結果、開幕から覗き(全裸)という犯罪を犯すロケットスタートで読者を置いてきぼりにした戦犯。これはちょっと、世間は許してくれませんよね。当時の私の暴走っぷりがよく分かります。リメイクする際は、女性用下着売り場を全裸で物色している六十歳のジジイくらいにしておきましょう。


 TS主人公としては、私の二作目であるウィッチドライブのユウ君以来、二人目でした。前回が巨乳美少女だったので、今回は貧乳ロリという分かりやすいやり方。女神に愛された結果非モテの呪いを受けるという振り回されっぱなしな半面、割とやりたい放題できたんじゃないかなあと個人的には思っています。

 真紅の大太刀で炎を操るロリとか、どっかの灼眼●シャナの影響が如実に表れておりますが、彼の能力は真紅の大太刀を複数従えるのが真骨頂なので、多分空中セーフです。あとは個人的に、喋り方をジジイ口調にするのがちょっと面倒でした。


 次にヒロインとなるアヲイちゃん。短髪巨乳、ムチムチの太ももはいとをかし、枕草子にも書いてある(未確認)。おまけにメスガキの要素に加えて、実は心が女の子だったという点までぶち込んだという、私の性癖トッピング全部乗せになった彼女。

 個人的には好き放題煽っておきながら、いざ大切な人がピンチになった際に信じられないド低音で「誰に手出してんだ?」とボヤいたあのシーンがお気に入り。心の奥底で好いているのが|д゚)チラッするのが、やっぱ熱いっすよね。


 能力は地味に見えて、実は凶悪。しかも本気になると軍勢召喚までするという、自分でなんとかできる系ヒロインになりましたが、黒幕には及ばずカナメにに助けられるというお姫様にもなれましたね。

 元ネタが完全に宇●崎ちゃんですが、まあいいじゃろ。やりたいことをやりたいようにやれるのが、物書きのいいところですからね。最後には少しデレてくれましたので、私としてはやりたいことをやり切った感じがありました。


 次はカナメをロリにした原因の一人、エイヴェと、アヲイを揺さぶる為に出てきた天才馬鹿、スバル。彼らについては字数が足りなくて、全然掘れなかったのが残念無念。キャラを多数配置すると見せ場の配分が難しくなり、割を食うキャラが出てしまうという今回の被害者でした。

 ちゃんと過去とかしがらみとか、色々用意はしたんですけどねえ。この辺は、私の力量不足が原因です、反省。えっ? もちろん、私もネギ塩です。でも今何故そんなことを……?


 最後にラスボスとして据えた彼、ピサロ。何かを成そうとする黒幕ではなく、欠けたもの(彼の場合は不自由な足)を取り戻そうとする黒幕としてみたら、まあ動く動く。

 歩けるようになった時のはしゃぎっぷりは、書いていて自分でびっくりしていました。足りないからこそ、渇望する。自分にも心当たりがあり、こういう黒幕も初めてだったんですが、個人的にはアリだな、と手応えを得ました。


 しかし童顔坊ちゃん狩りの三十路って、現実にいたらかなり目立ちそうですよね。当の本人は多分、「見てくれで侮ってくれれば儲けもの」くらいに考えてそうですが。

 彼についてもなかなかに自分の中で固まっているキャラになりましたので、今後の再利用がはかどりそうです。


 こんな作品でしたが、皆さま楽しんでいただけたでしょうか。この物語は、一度ここで完結とさせていただきます。

 というのも私が最近、ラノベの公募の関係を頑張りたいと思ってまして。一つの作品を長くやるというよりは、このくらいの長さの作品をたくさん作って新人賞にぶん投げたいと思っているからです。


 最近はネットで公開していてもオッケーなレーベルも多く、PV数による反響や皆さまの感想なんかを見てから更に改稿し、改めて新人賞に出せるということで、なかなか助かっております。いつかデビューしたいなぁ……。


 そんな私の次回作の仮タイトルは、こちら。


『SKY ~天翔ける紅き例外~』(仮題)


 人々が技術によって空に繰り出した頃、各国は勢力均衡の為に軍備を強化し、緊張が高まっている中、空の彼方から無数の機械竜(ドラゴロイド)が押し寄せる。人類は国を跨いでの戦いを強いられ、劣勢に陥るが、機械竜(ドラゴロイド)の残骸から飛行機を魔改造した対機械竜(ドラゴロイド)用航空戦闘機ゲオルクを開発。これによって戦況を好転させ始めた頃、機械竜(ドラゴロイド)は現れなくなった。

 争いが収まってから少し経ち、平和が訪れ始めた頃。人類は機械竜(ドラゴロイド)の残骸を巡って水面下で争うようになった。そんな世情に見切りをつけた一人の女性が、軍からゲオルクを持ち逃げする。その後は持ち逃げしたゲオルクでもって傭兵活動等を行い、指名手配から逃れながらその日暮らしをしていた。


 彼女はある日、仕事の最中に一人の幼い男の子を助けることになる。年の割に大人びていた彼は金持ちであり、ボディーガードになってくれないかと持ち掛けてきた。男日照り、金欠、三十路手前の三重苦にあった彼女は、彼の実家の資産に目が眩んでそれを承諾。やがては彼を取り巻く事件に巻き込まれていくことになる。


 こんな感じの物語を想定しております。おねショタですよ皆さん。カッコいいお姉さん(実際は駄目女)は好きですか? イエス、オフコースッ! そんなノリで書いています(笑)


 こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。以下に過去作品も置いておきますので、興味のある方は是非是非。


 以上、沖田ねてるでした。それでは。


 ーωー




(掲載順)

●ダレカノツゴウ ~勝手に異世界召喚で魔王にされたけど私は士官学校で青春したい~


●ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ~


●異世界に転生してステータスを開いたらキェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!! 俺とステータスちゃんと行く土下座珍道中


●三十路の彼と幼い彼女 ~彼らは異世界行商人~


●人形A(※カクヨムのみ)


●異世界に飛ばされた俺っちは邪神と超越者と二股しないと死ぬ ~あんまりだろこれ~


●アイムジェニファー!


●セカイノクジラのType ZERO


●トラウマノコイ


●二人ぼっちの即興劇(エチュード)

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薔薇百合トランスフォーメーション 沖田ねてる @okita_neteru

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