小説投稿サイトに投稿された『妖精姫物語』で出会った貴方たち(推したち)
美しくて、必死で、ままならない人生を行く話
叶えてくても叶わないもの
心に残るのはー幸せにできない物語
主人公、咲良はお話の推したちに思いを馳せ、運命を変えたいと願う。
ある日、作者である真砂からそれは自身の体験であり、
幸せな終わりを迎えるために、主人公を継ぐことを頼まれる。
ーこれは、大事な推しを助けるための物語。
一番好きな幼馴染、ティティリアシャ、そして、不遇の王、ユール。
ローズィア・ベートンとなった咲良は、繰り返しの果てにハッピーエンドを目指す。
願いと思いを胸の奥に包み抱き、成り代わった令嬢は東奔西走する
そして、2年の仮初の婚約を結び、相棒となったユールとの関係は…?
テンポのいい会話を中心に
熱心に読み漁ったループの知識で世界を救う
読みやすく、バイタリティあふれるローズィアにくすりと笑いながらも、
その思いと行動を見届けたくなる、そんなお話。
たとえこれが恋にならなくても、貴方の命が救えますように…
ーほんとうに?
ハイボールってご存知ですか?
ウイスキーを炭酸水で割ったあれです。
私は大体1:4くらいで呑むんですけれど、もちろんウイスキーは1です。
7話まで読了しての感想は、古宮九時原液9に対して、読者に対する諸々な水1、そんなお話です。
RTAを謳っているだけあって、お話がサクサク進みます。
ループ状態の主人公は元より、周囲の人間たちが物分かりがよく有能なのが大きなポイント。お蔭で物語展開という点ではストレスなく読むことができます。
最初web版UMくらい進むなぁと思ったのですが、あちらより読者を想定している分、丁寧な印象です。
この丁寧さが他のお話だと水4とか5に相当するのですが、水の量が同じでもグラスサイズの問題で原液の方が多く感じられて楽しいです。
あとは血みどろとぶっちぎった美少女と熊がおなじみポイント。
作中どころかカクヨムコンの日程的に執筆速度までもがRTAと化している本作。
果たして締め切りまでに主人公は目的を達し、作品は10万字を超えられるのか。
小劇場のように目まぐるしく進む成り代わり令嬢とその周囲の物語を、あなたも是非ご堪能ください。