あなたの未練と共に消えていく、不思議なマグカップ。

 どんなに
 確かなものでも。

 どんなに
 大切なものでも。

 捨ててしまわないと、いけない時が来ます。

 この思い出も
 あの温もりも

 どんなに望んでも
 二度と手にする事を許さない

 恋のもうひとつの顔
 幸せの残酷な後姿。
 
 思い出のマグカップ
 
 その小さな身体いっぱいに満たしていた、あの時の二人の恋

 今は枯れてしまったその恋

 かわりに満たされる残酷な痛みを満たしたまま、マグカップは自らを……。


 あなたが再び立ち上がるまでの
 面白く、切なく、不思議な物語。

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