第5話『 お兄ちゃん、ステータスを見る 』

第5話『お兄ちゃん、ステータスを見る』




※今回、長く感じるかもしれません。




僕と心は、門を抜けダンジョン都市カナムへ入る。

カナムの街は中世ヨーロッパのような街並みだった。

僕達は、かなり長い時間話していたので日は沈みかけ夕方になっていた。

今日は、バルトさんに聞いた宿屋に行き、明日教会と冒険者ギルドに行くことにする。



聞いていた宿屋に着く。木造の二階建てで古い感じの外観だが、何処か歴史を感じさせる。

両開きの扉を開け中に入る。

中に入ると、店番をしている12歳ぐらいの女の子に声をかけ、バルトさんの紹介できた事、この宿にしばらく泊まりたいことを告げる。

女の子は「少しお待ちください、お母さんを呼んできます」と言い、店の奥に入っていった。すごいな子供なのに家のお手伝いか、と感心する

待っている間に、紙に書いてある宿代を見る。1人部屋で1泊2食付きで銀貨1枚。2人部屋で1泊2食付きで銀貨1枚と大銅貨5枚のようだ。

バルトさんの話を聞き日本円で考えてみると、この様になる。

・銅貨 = 10 円

・大銅貨 = 100 円

・銀貨 = 1,000 円

・大銀貨 = 10,000 円

・金貨 = 100,000 円

・大金貨 = 10,000,000 円

・白銀貨 = 100,000,000 円

そうしてしばらく考えていると、豊満な体型をした優しそうな女性が先程の女の子と一緒に出てきた。


「アンタらがバルトの知り合いかい、私がここの宿の女将のリーナだよ」


女将さんの言葉に頷き答える。


「バルトさんにこの宿を紹介されまして」


僕は、宿の女将さんに女の子に言った事を伝える。

そう伝えると女将さんは少し考えて答える。


「今空いてる部屋は1人部屋だけだけど、どうする」


「1人部屋にこの子と同じでも大丈夫ですか。」


女将さんにそう言うと、僕は背中に隠れるようにしてこちらを見ていた心に目をやる。また女将さんも心を見る。

心はまだ小さい、部屋が別れて、心に何かあった時にすぐに対応出来ない。

女将さんは僕の顔と心の顔をもう一度見て答える。


「2人部屋なら本来は、1泊2食付きで銀貨1枚と大銅貨5枚だけど、2人部屋が空くまでは銀貨1枚でいいよ。」


本来は、一人部屋に2食付きで銀貨1枚なのに、幼い心やこの街に慣れてない僕を見て、宿代を安くしてくれたのだろう。


「ありがとうございます」


そんな女将さんにお礼を伝える。


「いいよ、あんたらだいぶ汚れてるね、この宿の裏側に私の夫がやってる銭湯があるから行ってきたな。あと、隣には服屋があるからそこで服でもかいな」


女将さんに言われた通り、僕や心の体や服は魔物の返り血や森でついた泥や土で汚れていた。女将さんに言われた通り、隣の見せでこの世界の普通の服を買い、銭湯に入って買った服を着て、宿に戻ってくると、女将さんと女の子が料理を並べていた。

女将さんはこちらに目をやると声をかけてきた。


「そろそろ戻ってくる頃だろうと思ってたよ」


そういい僕の顔を見る。


「先は汚れてて気づかなかったけど、アンタかなり男前じゃないかい。どうだい家の娘でも。」


そんな冗談を言い、顔を赤くした娘の頭を撫でている。

そして、僕達は女将さん達と喋り、ご飯を食べて部屋に戻った。

あとは寝るだけだと思いベッドで横になると、すぐさま妹の心が布団に入ってきて、布団から少し顔を覗かせる。

覗く心の顔は可愛い。じゃなくて、少し怒っていた。可愛い顔で頬を少し膨らませ僕の体に強く抱きついている。


「(めっちゃ可愛い。マジ天使)」


そう思ったがすぐに切り替え、心に聞く。


「心どうかしたか。」


「にぃにはこころのにぃになの」


そう言う心の顔は今にも泣きそうだ。どうやら先程の女将さんの冗談を真に受けたらしい。


「大丈夫だよ心。お兄ちゃんは心のお兄ちゃんだよ。」


そういい、僕は心を抱きしめる。

抱きしめると泣き出しそのまま寝てしまった。

明日は少し大変だろう。教会に行ってステータスボードを作ってもらい、冒険者ギルドに冒険者登録してもらいに行く。

明日は早いし、もう寝よう。




「―お兄ちゃんは心のものだから―」


そうして俺も眠りについた。




翌朝、目を覚ました僕は心を起こし、1階に降り女将さんに挨拶をして朝食を食べる。食べ終わったあとは必要な荷物を持ち、バルトさんに教えて貰ったこの街に一つだけの教会へ向かった。




教会に着き教会の外観を見る、教会の外観は豪華できらびやかな感じではなかったが、長い間建っているだろうに隅々までしっかりと手入れされている。教会を見ていると、掃除をしているシスターを見つけたので声をかける。


「すいません。ステータスボードを作って欲しくて」


「…ふぇっ…………」


声をかけられ振り向くシスターは声を上げ驚く。いきなり声をかけたから驚かしてしまったのかもしれない。


「すいません、驚かしてしまい。大丈夫ですか」


シスターは慌てたように首を横に振る。


「いえいえ、気にしないでください。大丈夫です」


そう言いながら、顔を赤くするシスター。


「ステータスボードを作りに来たのですね、こちらへどうぞ。」


そして、シスターに案内され中へと入る。


教会の中も綺麗に掃除されておりとても清潔だった。僕が想像していた豪華に着飾っただけの教会より遥かにいいと感じた。


「こちらがステータスボードを作る部屋になります」


シスターに連れてきてもらった部屋に入ると、部屋の真ん中に金で装飾された白色の台があり、その上に水晶が乗っている。


「それではあちらの水晶に手を近づけてください」


俺と心は、水晶に手を近づける。

そうすると目の前にウィンドウの様なものが現れる。




【 名前 】一ノ瀬 透 ( 一ノ瀬 透 )


【 性別 】男(男)


【 年齢 】16(16)


【 種族 】人間(人間)


【 体力 】5,000(50,000)


【 魔力 】300,000(0)


【 スキル 】


戦闘系:

体術Lv4(8)

剣術Lv4(8)

身体操作Lv4(8)

気功Lv4(8)


魔法系:

火魔法Lv1

水魔法Lv1

風魔法Lv1

土魔法Lv1

光魔法Lv1

闇魔法Lv1

魔力感知Lv1

魔力操作Lv1

魔力回復速度Lv4


耐性系:


物理攻撃耐性Lv3(7)

魔法攻撃耐性Lv4(7)

状態異常耐性Lv4(7)

肉体的苦痛耐性Lv7(7)

精神的苦痛耐性Lv7(7)

健康Lv6(7)


特殊系:


生命力Lv5(6)

治癒力Lv5(6)

耐性力Lv5(7)

集中力Lv6(6)

並列思考Lv10(10)

鑑定(鑑定)

空間収納(空間収納)

シスコンLv10(10)


【 固有スキル 】


二重人格(二重人格)


【 称号 】




【 加護 】






僕がステータスを見て驚いていると、シスターのお姉さんが教えてくれた。


体力:

一般人 = 1,000

冒険者や兵士 = 2,000~3,000

高ランク冒険者 = 10,000


魔力:

一般人 = 100

普通の魔法使い = 1,000~3,000

宮廷魔道士 = 10,000~30,000


Lv:

Lv1 , 2 , 3 = 1人前

Lv4 , 5 = 熟練

Lv6 , 7 = 達人

Lv8 , 9 = 化け物、怪物

Lv10 = 神

(戦闘スキルに関して、他だと違う場合もある。)


シスターさんが教えてくれたおかげで自分のステータスがどれだけおかしいかがわかった。そしてそのおかげで自分のステータスの横に付いている()が何かわかった。これはおそらくもう1人の僕のステータスのことだろう。その証拠に、固有スキルに二重人格というものがある。

そうして自分のステータスについて考えていると、隣の心が僕の裾を引っ張る。

そして、自分のステータスを見せてくる




【 名前 】一ノ瀬 心


【性別】女


【年齢】6


【種族】人間


【 体力 】700


【 魔力 】200,000


【スキル】


魔法系:

氷魔法Lv1

雷魔法Lv1

聖魔法Lv1

魔力操作Lv3

魔法回復速度Lv6


耐性:

状態異常耐性Lv10

健康Lv10


特殊スキル:

ブラコンLv10


【固有スキル】


天使の息吹


【加護】


女神ルルティマの加護




心のステータスに加護がついている。ステータスボードは任意で人に見せることができ、心は僕だけに見せている。それに、固有スキルの天使の息吹とはなんだ。ステータスボードの天使の息吹に触れると、説明文が横に出てきた。


『天使の息吹』

死んでいなければあらゆる状態のものを癒すことが出来る。また死んでいても死後1日経過していなければ蘇る。代償として1回の使用につき、術者本人の寿命の10年を使う。また死んでいた場合、全ての寿命を使う。


クソスキルだな、心の命は何よりも思い。心にこのスキルを使わせてわいけない。


「心、このスキルは絶対に使ってはいけないよ。何があっても」


心は優しい子だ。もし俺が大怪我を負って死にそうならきっとこのスキルを使うだろう。だから俺は、冒険者になっても心に心配をかけないようにせねばいけない。そうして俺は決意を新たにする。




―この時の僕は、この時の俺は―


―気がついていなかった。―


―称号と加護―


―何も持っていないのに表示されていることに―






▽▽▽▽▽


拝啓 第5話を読んでくださった読者様


今回のはは本当に大変でした。お金やステータスが本当どうすべきか散々悩みました。他の異世界系作品を読み大いに参考にさせて頂きました。ありがとうございます。

最近、更新出来なくて申し訳がありません。頑張って更新頻度をあげたいのですが、学校が再開したので平日にはあまり更新出来ないと思います。代わりに土日祝日に頑張りたいと思います。応援よろしくお願いいたします


追伸


もう少しで最新作が出来るのでそちらも是非呼んでいただければ幸いです。

最新作は『ダンジョン配信』ものにしようと考えております。


青猫侍


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幼い妹と一緒に異世界転移したので、妹を守るために最強になります。 青猫侍 @aonekoHappy

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