虚構は現実を救う力となる

けれども、そんな嘘を作り上げる者の心は、紛れもなく真実でなければならないのです。

ほぼ1シチュエーションだけで描かれた本作のストーリーは、前半と後半で空気感が一変します。タイトルだけで敬遠してしまうのは非常に勿体ないです(そもそも、タイトルは「覆い隠された本当」を暗示しているように思います)。

誰かの生きる力になりたいと足掻く、すべてのフィクション作家へエールを送る作品だと思いました。読後感も爽やかです。