けれども、そんな嘘を作り上げる者の心は、紛れもなく真実でなければならないのです。ほぼ1シチュエーションだけで描かれた本作のストーリーは、前半と後半で空気感が一変します。タイトルだけで敬遠してしまうのは非常に勿体ないです(そもそも、タイトルは「覆い隠された本当」を暗示しているように思います)。誰かの生きる力になりたいと足掻く、すべてのフィクション作家へエールを送る作品だと思いました。読後感も爽やかです。
女子高生のスケッチそれもスカートの中を描く……。衝撃的な出だしから始まる本作ですが主人公と女子高生を通し、互い邂逅する意欲作だと思います。作品描写も細かくドキドキしました。是非その秘密の世界を襖の隙間から覗いてみてください。