資料:星の落とし子殲滅作戦

 星の落とし子殲滅作戦報告書


 期間:2022年7月18日午前3:20

 場所:北海道M市霧結界内部全域

 作戦目標:作戦地域の全ての魔導生物・異星人・怪異・神霊等の秘匿物品の秘匿。

 作戦概要:日本魔界府府庁より、日本魔界府府庁魔術呪術物品秘匿一課特殊秘匿部隊『356番』を午前3:10にM市外縁へ輸送。『霧結界』の突入、部隊員四名による『星の落とし子』以外の秘匿物品の秘匿・無力化・制圧を進めつつ、部隊長・特別指定級術師『鳥羽或人』により『星の落とし子』の秘匿・無力化・制圧を同時に行う。全域制圧後、霧結界に『A郡神経操作術式』による『記憶改竄術』を行い、M市内住民の記憶を改竄。大規模暴風雨による災害のカバーストーリーを認識させる。

 作戦立案:南極卿執務室

 作戦参加人員:特殊秘匿部隊356番・部隊長:鳥羽或人特別指定級術師 部隊員:安部実巳第一級術師、安部美鶴第一級術師、幸徳井類第一級術師、幸徳井雷第一級術師 後方支援・輸送機操縦:琉鳥栖玲央第一級術師

 

 費用概算:(南極卿執務室権限により執務室外部には秘匿)


 報告事項:当日作戦推移:午前3:20、予定通り作戦行動を開始。『霧結界』は予想以上に強度が低く、部隊員は対策の必要なく通過した。

 部隊員四名はそれぞれ『小石川町』、『画鞆町』、『中央M市駅前』、『上島町』に降り立ち秘匿物品との戦闘を開始。同時に部隊長はM市港湾湾内中央に立つ『クトゥルフの肉体』へ攻撃を開始。直後に『クトゥルフの肉体』は分裂、25体の『星の落とし子』として戦闘を開始した。

 午前4:25に『星の落とし子』の魔力反応は消滅。部隊長は部隊員による制圧行動に参加。午前4:40にM市全域での秘匿物品魔力反応の鎮静化が確認される。

 午前4:45、部隊長・鳥羽或人により『霧結界』を外殻とする結界術がM市全域に展開。作戦予定通り『A郡神経操作術式』による『記憶改竄術』を施し、領域内の『世俗人』の記憶処理を完了した。

 午前4:55、記憶処理効果の確認の後、霧結界の解除を部隊長が行った。午前5:00輸送機へ全部隊員が撤退。本作戦の完了が日本魔界府府庁へ通達され受領された。

 

 

 報告事項:作戦結果報告:本作戦における部隊員の犠牲はなし。安部美鶴第一級術師は全治三日の負傷。幸徳井雷第一級術師は全治一週間の負傷を負った。


 報告事項:その他:本作戦対象となったM市における世俗人の死傷者・行方不明者は延べ3521名。日本全国での神霊、違法術師テロによる緊急事態下において、日本魔界府府庁の正式な管轄ではない北海道の事案といえども無視することのできない被害件数であると言える。M市における『秘匿物品による被害』は以前より特別派遣員により報告され、増員の要請も度々行われていた。にもかかわらず今回の事件が発生したことについては、北海道地方の秘匿業務形態について抜本的見直しが必要であることを示していると言える。特別指定級術師一名、魔界府府庁秘匿二課派遣員三名、秘匿三課派遣員五名、計九名の秘匿業務体制では人員数として不十分であり、先の魔界府での『神祇寮』および『伏魔殿』魔術師の秘匿課への編入を利用した北海道地方への魔界府府庁秘匿課派遣員の増員を具申する。

 報告者:日本魔界府府庁魔術呪術物品秘匿一課所属特殊秘匿部隊356部隊隊長・鳥羽或人 特別指定級術師


 確認印:国連秘匿保障委員会東アジアセクター日本国魔術府派遣特派員及び魔術府境界区区役所魔術呪術物品秘匿課課長・Beatrice Cantor 特別指定級術師

 受領印:南極卿執務室執務官・V・13

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霧の幻影 ~怪異対決譚~  臆病虚弱 @okubyoukyojaku

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