第14話 予感は外す為にあるんだよ
「雫くんもだんだん板についてきたね」
「ありがとうございます!」・・
「ふふふ」
*
某所
「働かせてほしいと?」
「お願いします!」
「うん、いいよ」
僕は結局時間が自由になるという理由で、あの人に仕事の斡旋を依頼した。
「頼ってくれて嬉しいね!」
できればこんな危険なとこは嫌だったけど、背に腹は代えられない。
退院したら育児が始まる。
自由時間などほぼ無いに等しい。
トイレに行くにも着替えでもお風呂でも。お洗濯に料理や買い出し。
24時間フルで赤ちゃんとセットである。僕は彼女が自分の時間が持てるようにしたかった。
「やっぱり筋が良いね。この調子だと独り立ちもできそうだよ」
僕に任されたのはデザインの仕事。
今流行りのVTuberの皮を作るお仕事だ。 需要は確実にある。
「しかしよく頑張るね。それも彼女のためだと言うし。正直焼けてしまうな」
「僕もこんなお嫁さんが欲しいな」
「あげませんよ」
こうやって時々僕をからかっては微笑んでいる
全く根性が腐ってますね
ちかちゃんの元カノとのお仕事は想像以上に楽しかった。
彼女の指示も的確で、まるで何年も一緒に働いていたようだった。それくらい僕らはお互い信頼し合ってた。いや、お仕事だよ
第一印象が結婚式でのアレだったから、上がるだけだし。
「最近、あなた達距離近くない?」
「そうかな」
時々冗談半分本気半分でちかちゃんに言われた。
その時の彼女の様子があまりに寂しそうで。
ここで働き続けるのは失敗だった。
遅まきながらその時知った。
これ以上悪化する前に何とかしなくちゃ
僕はそう考えて、ちかちゃんにある提案をするのだった。
*
浮気した彼女が復縁を迫る中、後輩までやってきて修羅場なので逃げたいと思います。 水都suito5656 @suito5656
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