ピカピカにいつも輝いて、ため息で曇らせないように

ガレットの描写は良いです。

隔世の感とは、世の中がすっかり変わってしまったと感じる気持ちのこと。
気に食わないことを言われると鏡文字で悪態をつきながらしのぐ癖があるという主人公。
元彼は起業して稼ぎ、取り組みの一つと思われる展覧会に誘われる。
かつて鏡文字を書いては先生に怒られていたみちるも、及川満として作品を発表、56万円の値がつけられている。その作品を見ていると、元彼が「気に入ったの?」「買ってあげようか?」と声をかけられる。
気に食わないことがあると鏡文字を書いて愚痴ってきた主人公は、変わらずに過ごしてきたから、自分の周り、世の中がすっかり変わって取り残されてしまったと感じているのだろう。
変化についていけなかったから別れてしまった、と推測される。
万物流転、情報不変。変わらないものなどありはしない。
鏡は今を逆さに映す。
「裏」は内側の意味と考えると、鏡の中を指している。
タイトルは、主人公の取り残されている気持ちを表しているのだろう。