偽善物語

今は昔、世界の片隅に聖国(ひじりのくに)という名の国があったそうな。
時は安江。それは日本で言う平安時代と江戸時代の暮らしや文化を掛け合わせたような時代であったという。
その時代に生きた一人の若者。名は東雲あかり。
彼女は常に一匹の狐を引き連れており、その奇妙な様と、それに反する性格の良さから町の名物となっていた。
これは、彼女がその狐と出会い、ただの町娘からその町の名物へと変貌を遂げるまでの物語。