第7話青年は更に考える。

青年は思い出す。


金剛を英国に建造してもらい、

すぐに榛名を建造したいと意気込む海軍を説得するのは大変だった。


『金剛は確かに良い戦艦ですが、もっと

防御を強化するべき。』


『少し速度が遅くなってもいい。

2番艦の水平装甲を強化するべき。』


『2番艦の建造は必要ですが、3番艦を建造するのではなく、拡大版金剛級を建造するべき。』


『戦争終結後にドイツから最新鋭の戦艦を購入し、充分に検討してから決定版ともいうべき戦艦の建造を開始するべき。』

と海軍を説得した。


海軍とて現在の国を守る戦力の少なさを

憂いて、戦艦を建造して戦力を増やしたいと思っているのだ。


政府や宮様達も我々を後押ししてくださった。

『戦艦の建造は多大な物資と予算を必要とする国家の1大事業なだけに、1隻1隻に創意工夫の才の全てを凝らして建造するべき』と言い続けたのだ。



もちろん、急激に戦艦を建造している

アメリカの様子を見て焦燥感に駆られる

海軍の気持ちもわかる。


だが、今は欧州で大戦争が起きており

アメリカ艦隊は大西洋に戦力を集中している。

『今は大丈夫だろう』となんとか説得したのだった。


だが、超弩級戦艦の新鋭戦艦が金剛、榛名の2隻だけではあまりにも手薄なのも事実。

周防は残念な爆沈事故で沈んでしまったし、、、

世界大戦の教訓を考慮しつつ重装甲、重武装、高速力の三拍子が揃った戦艦を建造するべく1920年に完成したのが戦艦『長門』である。

(全長、全幅、基準排水量)はいずれも史実の長門の完成当時より上であり、

防御力も上である。

そして、二番艦の『陸奥』も完成し、

更に強固な戦艦(加賀)計画、巡洋戦艦(赤城)計画を推進しようとした時に

軍縮条約でストップがかかったのだ。


『巡洋戦艦の計画ですが長門以上の防御は持たせていただきたい。

まずは拡大版長門級(加賀)の戦艦の建造を優先し、高出力機関の開発に全力を

投入すれば巡洋戦艦の建造開始時には

良い機関が完成していて、上手く計画が進むかもしれませんな。』

『と説得し

赤城の計画を先延ばししたのだが、

まさかアメリカがあんなに強行だとは、、、』

この世界での赤城は加賀級の攻撃力と防御力はそのままに速度を上げようとする

高速戦艦建造計画である。

(全長などは多少伸びるかもしれない。)


『ほんと、予想外の事が起きるものだ。

現時点で4隻しか戦艦を持っていないのに、こうまで危険視されるとはな、、、』

と思わざるを得ない。


天城、土佐が無駄になったりしていないのだから実害は少ないとはいえムカつくのも確かだ。


アメリカは極短い間に大量に戦艦を作った癖に5隻目を建造しようとした日本に対して難癖を付けてくるとは。

(10隻が撃沈されて代艦を建造してる癖にと言いたい。)


(いや、自分が歴史の知識を詳しく知らなかっただけで、史実のアメリカの圧力もこれほど酷かったのかもしれないな。)

と青年は思うのだった。


アメリカの戦艦は35.6cm砲を搭載した戦艦ばかり。


遥かに高速な35.6cm砲戦艦の

金剛級2隻、

41cm砲を搭載した重防御戦艦(速力は26ノット以上だから米戦艦よりずっと上)の長門級が建造され、更に41cm砲を搭載した戦艦が増えそうだと知ったら、アメリカは無視できなくなったか。


アメリカは第1次世界大戦で莫大な損害を出しているしな。


これまでの日本は戦争で損害を出さずに

上手く切り抜けている。

(次の世界大戦をどう切り抜けるかだな。)

青年は考え続ける、、、


(アメリカ戦艦の損害は機雷や潜水艦の雷撃によるものです。)




帝国海軍の憂鬱はここでとりあえず

完結とします。

現在8話目を執筆していまして、ある程度たまったらリニューアルして連載開始します。

クソ忌々しいアメリカ海軍をゴーレム戦艦達が片っ端から沈めて大活躍する

新章にご期待ください。


ゴーレム戦艦達はバルチック艦隊もアメリカ艦隊もやって来ないのでしょげています。


『大日本帝国ゴーレム艦隊』の戦艦達が大活躍してアメリカを叩き潰します。

宇垣昌弘も大活躍。


ルーズベルト大統領を絶句させるほどの物量をご期待ください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

帝国海軍の憂鬱(予算の無駄使いを指摘されるのは辛い) しゃあっ(大日本帝国ゴーレム艦隊連載中) @ZEROFACTORY8823

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ