第7話 Bruce Weber.
時は80年代、誕生日に友達が、お金出しあってヌード写真集をくれたのです。それが伊藤俊治監修「NUDE」っていう本で、巨匠の作品を紹介しつつ、芸術やコマーシャル写真の歴史を語るというもの。その中にコマーシャルフォトグラファーとして、ブルース・ウィバー(https://bruceweber.com/)も紹介されていました。彼はカルバンクラインの下着の広告で有名な写真家です。検索すると、かっこいいモノクロの広告がいっぱい出てくるはずです。そして一目見てわかるように、まごうことなきゲイです。
写真集では彼がとった海兵隊?の若者が全裸で海辺で走る写真は素晴らしく、躍動感にあふれ、筋肉が美しい!の一言につきます。ゲイの写真家といえば、お尻に鞭をさしたセルフポートレイトで有名なロバート・メイプルソープなんかがいますが、そういうフェティッシュなものでなく、単にみずみずしい若さと筋肉への賛美が感じられる作品でした。Male Nudeというもの自体が珍しかったこともあり、長く私の印象に残っていました。
すいません。話が回りくどくて。実はここからが本題。最近ちょっと面白い情報が入ったのです。2000年代。な、なんと彼、モデルにレイプで訴えられてました。ドキュメンタリー番組によると、アバクロンビー&フィッチというブランドと組んで、別荘にモデルを呼び出し、彼と懇ろにならないと解雇するということを繰り返していたらしいのです。このアバクロというブランドが面白くて、店の中が外から見えない造りになっており、店員は見目のいいモデルばかり。客も厳選されてアジア人や肥満の人、見た目が悪い人は入店できなかったとか。選民意識の高い若者の中で人気があったらしい。
なにその面白い店。
現在は普通に誰でも入れるので、そんな店だったとは知らず、娘にアバクロのコートを買ってあげたことがあったのですが、直後からそのコートを着るのを嫌がり、なんでかと思ったら今の若者の間では不人気だからロゴでバレるのが嫌、ですって。買う前に言ってほしかったわよ。いいコートだったのに。
Bruce Weber氏は、ヴィトンやヴェルサーチの広告写真を今もとり続けているようです。大御所です。何やかや言っても安定のファッション写真家です。クオリティ高いです。一時ゴールデンレトリヴァーばっかりとってる時期があったけど、これがちょうど訴えられたころだったんでしょうか、
最後に、MADTVのアバクロボーイズっていうパロディが当時のアバクロのイメージをよく表せていて面白かったので、参考までにはっときます。
https://youtu.be/5ZRBxWZbbtA?si=uagVmYqlwYy7FTDM
モノ作る人のはなし 母猫 @mamacat
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。モノ作る人のはなしの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
北米で暮らしてみた (仮題)/母猫
★56 エッセイ・ノンフィクション 連載中 187話
誰にも言えないからここでいう/母猫
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 19話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます