牢獄
冒険者ギルドに連行された奏汰はそのまま訓練場まで連れて行かれ訓練場の隅にある石段を下り更に地下へ降りる
訓練場から牢獄までの石段はとても長く無数に光る魔石が壁に埋まっているが石段は薄暗く奏汰は目を凝らして慎重に石段を下る
石段を下り終わると目の前には6畳ほどのスペースがありそのスペースを囲むように木製の檻が3つ並んでいる6畳ほどのスペースの中央には木製で出来た長方形のダイニングテーブル1卓と木製で出来た背もたれ付きのダイニングベンチが2脚2人の男性がそれぞれ1脚ずつベンチに座り向かい合って談笑している
6畳の空間の天井には所々に光る魔石が埋まっていて下ってきた石段と比べると比較にならない程明るい
テーブルには銀色のコップが2つと銀色の皿に干し肉が少量置いてある
6畳の空間を取り囲む様に配置されている檻には真ん中の檻以外3人ずつ牢獄されている人影が見えたがどの檻にも出入り口らしき箇所は見当たらない
受付女性は奏汰を真ん中の2人しか牢獄されていない檻に誘導する
「おい!新入りお前はどんな悪さをしたんだ?」
ダイニングベンチに座っているスキンヘッドで細身の男性が話しかける
「彼の名前は野々 奏汰、一般人をスキルで傷付けた傷害罪で拘束しました 彼のスキルは精神に直接ダメージを与えるスキルなので監視員さんも気を付けて下さい」
受付の女性が監視員2人に奏汰の危険性を伝える
「大丈夫ですよユウナさん!俺達兄弟が責任をもって面倒見ますよ 毎年数人の脱獄者を許していたこの牢獄に俺達が配属されて早2年半1人も脱獄者を出していないんだぜ!」
スキンヘッドの監視員が片側の口角を上げドヤ顔でユウナにアピールしている
「ユウナさん僕等が監視員として働く事になった3年間1人も脱獄しなかったらあの約束守ってもらいますからね」
ボサボサの金髪ロングヘヤーの監視員がユウナにそう告げるとスキンヘッドの監視員と不気味に笑いながら受付女性の顔を覗き込んだ
金髪の監視員は座りながら常に松葉杖を大事そうに片腕で抱え込んでおりスキンヘッドの監視員は銀色の短刀を腰に装備している
「分かっています3年間の任期満了まであと半年脱獄者が出なかったら約束は守ります では私は受付の仕事があるので彼を宜しくお願い致します」
奏汰をスキンヘッドの監視員に引き渡す
「お預かりします」
スキンヘッドの監視員は奏汰の手を拘束しているロープを受け取り奏汰を真ん中の牢獄へと誘導する奏汰を監視員に渡したユウナは下ってきた階段を登り1階へ戻って行く
コン、ココン
金髪の監視員が松葉杖で地面を付くすると奏汰が牢獄される事になった真ん中の檻の柵が一部分人1人分入れる大きさに木製の柵がよじれる
「さぁ入れ!今日からお前が暮らす場所だしっかり反省すれば上に頼んですぐ出してやる事も出来る全てはお前のこの監獄での態度次第だ」
「はい、分かりました」
奏汰は1日に2度もスキルで人を傷付けてしまった罪悪感で下を向いたまま素直に真ん中の檻へと向かう檻へと一歩足を入れた瞬間今まで嗅いだことがないくらい強烈な臭いを感じ奏汰は驚きのあまり頭を上げ檻の中を見渡す
檻の中にはカビの生えたパンや緑色をした液体が散乱しており牢獄されている2人の男性はこちらに背を向け体育座りしながら手で耳を塞ぎ小さくなりながらブルブル震えている彼等の衣類はいたる箇所に刃物で切られた跡がありズタズタになっていて血で衣類が変色し傷口が化膿していた
奏汰は強烈な悪質で堪らずその場で嘔吐した
「吐いてないでさっさと檻に入れ」
スキンヘッドの監視員は嘔吐している奏汰の尻辺を前蹴し蹴られた奏汰は前のめりによろめきながら檻へと入るそんな奏汰を後目にスキンヘッドの監視員は金髪の監視員に檻の出入り口を閉めろと手で出入り口を指さした
金髪の監視員は松葉杖を地面にコンと1度付くとよじれた部分の柵が元の状態へと戻ってゆく
柵が元の状態に戻るにつれ雨戸を締めたかのように監視員達がいる部屋の明りが遮光され牢獄内の天井に埋まって牢獄を照らしていた魔石も柵が元に戻るつれ光を失い暗闇に包まれ何も見えなくなる
異世界転生は霊と共に 花色波紋 @pekoot
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界転生は霊と共にの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます