宿屋

 奏汰は螺旋階段を降りると1階でもラップ現象が起こっていたらしく1階に居る宿屋の店員や客達が膝から崩れ落ち頭を抱えながら泣き叫んでいる

2階で叫びながら1階に降りた客達はそのまま宿屋を飛び出し近くの冒険者ギルドに駆け込んだ

「助けてくれ!!あの宿屋誰もいない、何もしていないのに音、音がぁ…」

宿屋の客は宿屋を指さし震えながら助けを求めた


「大丈夫ですから落ち着いて下さい、ここは冒険者ギルドです。すぐに冒険者を向かわせます」

ギルドの受付女性はそっと震える体に魔物の毛皮で作った薄い毛布を被せギルド内に居た冒険者2人を連れて宿屋へ向かった


 宿屋の窓から男性冒険者2人と受付女性が宿屋に向かって歩いて来ているのが見える

向かって来る受付女性の姿を見て

(あの受付女性は俺のスキルを知っている…隠し通す事は無理か…)

何となく全てを悟った奏汰は宿屋のドアの前に向かいドアの前で立ち尽くす


ギルドの受付女性が宿屋のドアを開ける


ドアが開かれると同時に奏汰は頭を下げた

「すいませんでした、自分のスキルが原因です」


受付女性は突然の事で少し驚いたが

「やはり、貴方が原因でしたか……精神へダメージを与える事は危険と伝えたはずですが?」


「…はい、危険な事は重々承知してます」


「では何故?精神にダメージを与えてしまうスキルを使用したのですか?」


「今日1日色々な出来事が起こったので、今日1日の出来事を思い返してただけで決してスキルを使用するつもりは無かった、でも俺のスキルは少しでも考えただけで発動するらしく……暴発してしまっただけなんだ」


「例えどんな理由であろうと冒険者が一般市民にダメージを与えた以上、貴方を拘束しなければなりません、悪質な冒険者を取り締まるのも冒険者ギルドの役目です 野々奏汰さん貴方は一般市民にダメージを与えた傷害罪で貴方を拘束します」

男性冒険者が奏汰の体を抑え付け両手をロープで拘束され奏汰は冒険者ギルドへ連行された

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