クリスマスを百合カップルと過ごすのは許されますか?
しいず
第1話 温海の家でお泊り会を
今年もあと少しでクリスマス。
といっても、クリスマスは家族でキチンとケーキを食べるぐらいで
教会に以下に行ってクリスマスミサに参列する訳でもないけどね。
ただ、今年は夕と温海と仲良くなって初めてのクリスマス。
3人でお泊り会でもできたらなって思って放課後に2人に話してみた。
「2人ともクリスマスって予定ある?」
「予定は特にないわよ」
「わたしもないよ~」
「だったら、3人で24日の夜にお泊り会でもしない?」
「わたしはいいよ~」
「お泊り会ね、してもいいけど誰の家でするの?」
「わたしと夕の家でしてるから、今度こそ温海の家でしようよ。あ、ダメなら仕方がないけどね」
わたしたちは何度かお泊り会をしているけど、わたしか夕の家ではしたけど
温海の家ではまだしてない。
温海が拒否している訳でなく、夕の家が一番広いのもあって夕の家に泊まる事が多い。
次はわたしが家に誘うので、わたしの家となるけど、考えてみたら単に温海の家でお泊り会をしようと言ってないだけか。
「別にいいわよ?夕は何度か泊まってるし」
「それじゃ、温海の家でお泊り会とクリスマスパーティーだね」
「パーティーなんてしないわよ。クリスマスも両親はいないから、お姉ちゃんと2人だけよ」
「そうかー。わたしはまだ温海のご両親に挨拶してないから、一度は会いたいかも」
温海の両親とはまだ1度も会ったことがないが、仕事が忙しいので家にいないそうだから仕方がない。
「あたしの両親は年中忙しいけど、年末は特に忙しいから無理だと思うわ」
「そうか~。温海は寂しくないの?」
わたしが聞くと温海は
「こ、高校2年生にあって、両親に会えないからさ、寂しい訳なんかないんだからね!」
とおなじみのテンプレなツンデレを出して来た。
温海がツンデレを出すって事は、本音では寂しいって事。
夕もそれがわかっていて、わたしの方をみてニコニコしてるので耳元に話かける。
「夕、やっぱり温海は寂しいのかな?」
「本音は寂しいよ~。でも、強がってるのが温海ちゃんだからね~」
そうか、やっぱり寂しいか。
でも、ツンデレというか素直じゃない温海だから、はっきり言わないだろうし
言うと怒るだろうからなぁ。
「寂ししくなくても、恋人と親友と一緒にクリスマスを過ごしたいでしょ?」
「そ、そんなの当り前しょう。夕と文乃と一緒に過ごしたら楽しいし……」
温海が珍しく素直に答えたけど、恥ずかしくて赤くなってるのがかわいいなもう。
「それじゃ、クリスマスは温海の家でお泊り会だね。24日に夕と行くよ」
「わかったわ。それじゃ、お姉ちゃんに頼んで料理を作ってもらうわ」
「ローストキチンがとても美味しかったから、楽しみにしてるね」
「ケーキもおいしんだよ~」
「そうなんだ、楽しみだ~」
「2人とも食い意地がはってるのね」
「どうせなら、温海さんも食べてもいいですぞ」
わたしが冗談を言うと、温海が一瞬で湯気と言うか煙がでそうなぐらい真っ赤なった。
「わ、わたしの初めては夕だから。ふ、文乃はその後よ」
温海は聞いてな事を答えてるけど、やはりキスより先には進んでない様子。
「わたしは誘ってるけど~温海ちゃんには大人すぎるみたいだよ~」
「そうだよね」
「こ、高校生でそういう事はまだ早いし……」
「でも~月ちゃんは恋人のさくらさんともうしたらしいよ~」
「なっ!?」
月ちゃんというのは、この前行った夕のいとこの事だ。
月ちゃんはわたしたちより1つ下だけど、彼女のさくらさんはわたしたちと一緒の年だそうだ。
「年下の月ちゃんがもうしたんだから~わたしたちもそろそろだよね~」
夕がそういうと、温海は
「そ、そんなの関係ないんだからねっ!わ、わたしは、む、む、む。無理だからねっ!」
温海は顔だけでなく、全身真っ赤になるぐらい恥ずかしがってるけど、まだまだ時間がかかりそうだ。
「この話はこれ以上はいいとして、やっと温海の部屋に入れるよ」
「そ、そうね。でも、文乃を部屋に入れたら変な事しそうでなんか嫌だわ」
「見れて困るようなものがあるの?」
「ないけど、勝手に下着とか調べそうな感じがするわ」
温海はわたしにどんなイメージがあるのだろうか。
夕の部屋で夕がどんなブラを付けてるか見たけど、勝手に調べた訳じゃないからね。
でも、Eカップのブラとなると迫力があるよね。
「そんな事しないって。するんだったら、夕の部屋でしてるから」
「そうだとしても、なんか安心できないわね」
「それじゃ、今度わたしの部屋で下着を調べてもいいよ」
「なんでそうなるのよ」
「いや、交換条件?」
「やっぱり、する気だったのね」
「冗談だって、しないから安心してよ」
わたしだって人様のタンスや引き出しなどを勝手に漁ったりしないって。
「本当にしたら流石に絶交よ。単なるイメージだから、ちゃんと部屋には入れてあげるわよ」
温海はわたしにそんなイメージがあるようだけど、ただそんな事ないって
はっきりしない自分が悲しい。
いや、もちろんしないよ。
「それならいいけど、やっと温海の部屋に入れるのか。楽しみ~」
「別に変った所なんてないわよ」
「そうだとしても、社長令嬢の温海さんの部屋に入れるのは特別だよ」
温海はこれでも社長令嬢だから、令嬢の部屋に入れるのは特別だからね。
「そう、それじゃ楽しみしなさいよ」
「うん、楽しみしてるよ」
こうして、わたしたちは温海の家でクリスマスのお泊り会をする事になった。
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